見出し画像

盧泰愚を当選させた、虹工作とは

韓国の人気番組「いま会いに行きます」(498回)で、KAL機爆破を取り上げていた。

これは1987年11月29日に、ミャンマー沖のインド洋洋上で起きた大韓航空機爆破事件だ。実行犯の男性と金賢姫元工作員が拘束された。男性は服毒自殺し、金賢姫のみが韓国に送られた。

日本でも大々的に報道されており、今も記憶に新しい。

北朝鮮の金正日総書記が、ソウル五輪を邪魔するために直筆指示書を金賢姫らに渡して、命令したものだった。

バグダッド発ソウル行きにいったん乗り込み、爆弾を仕込んだラジオを頭上の荷物入れに入れたあと、同機の経由地アブダビで同機から降りた。2人はバーレーンからローマに出国する寸前に拘束された。

韓国当局の取り調べで、北朝鮮工作員であ、爆破は同行の男との犯行であることを認めた。1、2審で死刑判決を受け、1990年3月に死刑が確定したが、同年4月特赦された。

中国で生まれ、日本で育ったと主張したが、2つのことで身分が暴露された。1つは、お茶を飲むとき、口の中でチュクチュさせたことだ。これは日本ではやらない。

もうひとつは、安企部の調査官が、金賢姫に中国語で尋問した。その間に、調査官が同僚に対して、「どうしてこいつは嘘ばかり言うんだ」と韓国語を使って小声で話した。それに金賢姫が反応して、「嘘は言っていない」と中国語で反応したという。この話は、金賢姫の自伝にはなかった気がする。

この事件が発覚した時、韓国では大統領選が間近になっていた。

この選挙は直接選挙で行われる予定だった。保守系の民政党盧泰愚候補に、金大中、金鍾泌も出馬した。

番組の中で、当時の情報機関、安全企画部(安企部)の秘密工作について、紹介されていた。「虹工作」とよばれるものだ。この文書は、一部分が公開されている。

これについては、ニュース打破が詳細に報道している。

時間があるとき、じっくりまとめて見たいものだ。

https://newstapa.org/article/8gQVz

つまり、北朝鮮に厳しい保守系候補を有利にするため、選挙の前日に金賢姫を韓国に強制送還しようというものだった。

その後、韓国では大統領選のたびに、北朝鮮を利用する動きが出る。北朝鮮側もそれを承知で、協力していた節もある。

この南北の、暗い協力、妥協は、今も続いている。

いま会いに行きます。映像です。


よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!