違う国籍の人たちと生きる時代


2019年9月7日 埼玉韓国会館で語った講演の原稿です 

●日韓関係の現状

できるかぎり韓国の立場にも理解したいと思うが、最近は文在寅政権の孤立が目立つ。

日本とはどう交渉するのか、側近のスキャンダルもあって見通しがつかない状態。

●自分の体験から

私の家は日中の組み合わせです。食事、会社生活、家族との付き合い方教えられることが多い。

国際結婚の相談役、日本語のボランテイアも経験

(1)老婆

日本語ではお婆さんの意味ですが、中国語では妻のことを、親しみを込めて言うことばです。

人に紹介するときも、妻に呼びかけるときも使います。中国の有名なお菓子に「老婆餅」というものがありますが、日本語の感覚で考えると、お婆さんが作ったお餅なら、もしかして郷土料理?と思うかもしれません。実は、奥さんが愛情を込めて作ったことから来ています。

中国語では転職のことを「えさ箱を跳び出る」と言います。気に入らなくなった職場(仕事)を窮屈なえさ箱にたとえ、その窮屈な埸所から抜け出すことなので、中国人はよいことと思っています。

日本人から見れば大声で騒いでいる中国人はマナー知らずですが、中国人から見れば日本の街路は静かすぎて活気に欠けているように感じられるそうです。

お祝いの時に水餃子を送ります。日本ではやや慣れません。

自分の生活や旅行、買ったものを自慢するのも普通です。

多文化の家庭を訪ね、妻と2人で話を聞いた経験も

Q&Aでわかる 中国人とのつき合いかた 単行本 – 2018/4/10
本名信行 (著), 羅 華 (著), りょう (イラスト)


●変わる日本の家族像

2010年には、いわゆる「家族」の代表というイメージの強かった「夫婦と子ども」からなる世帯(27.9%)よりも、「一人暮らし」世帯(32.4%)の方が多くなっているのです。

今の日本で典型的な家族構成は?と聞かれたら、「一人暮らし」が3割強、「夫婦と子ども」が3割弱、「夫婦のみ」が2割弱、「3世代など核家族以外の親族世帯」が1割ほど、「男親または女親と子ども」が1割弱です、ということになるのですね。

●外国人が欠かせない時代に

近年、日本で働くベトナム人が急増している。厚生労働省によると、2018年10月末現在、ベトナム人労働者は31万6840人で中国人に次いで多く、前年比伸び率では31.9%とトップを占めている。技能実習生の数でも2016年以来、ベトナムが最大の送り出し国となっている。

この理由について、JETRO(日本貿易振興機構)の研究員・石塚二葉氏は「中国からの技能実習生が減る一方、ベトナムでは高学歴の若年層の失業率が高く、海外に働きに行きたい若者が多い」と分析する。

技能実習制度は、日本で培われた技能・技術の開発途上地域への移転を目的とし、「人づくり」に寄与する国際協力という名目で1993年に始まった。

しかし、労働力不足に悩む製造業や建設業にとって、実際は安価な労働力確保の手段として使われた面があり、外国人実習生に対する賃金未払いや暴力、セクハラなどがたびたび問題となってきた。

今後ますます深刻化する労働力不足に対応するため、政府は4月から入管法を改正し新たに「特定技能」という在留資格を創設、実習生ではなく労働者として外国人を受け入れる制度を始める。5年間で最大34万5000人を受け入れる計画だ。

安倍首相は「移民政策はとらない」としているが、今回の入管法改正は、実質的に移民政策に踏み込んだとの見方が強い。

●人口減に歯止めがかからない

日本では人口減に歯止めがかからない。その分外国から人が来ないと成り立たない。

今年3月30日、国立社会保障・人口問題研究所が衝撃のデータを発表した。2030年にはすべての都道府県で人口が減少し、2045年までに日本の総人口は1億0642万人になると予想している。

2015年の総人口が1億2709万人だったから、今後30年で2000万人以上減少することになる。とりわけ、ひどい落ち込み方をするのは都市部より地方で3割減が当たり前と見込まれている。

高齢化も確実に進む。65歳以上の人口比率は東京都や神奈川県といった首都圏でさえも、現在の高齢者数に比べて1.3倍に増える。

ちなみに、2045年以降も人口減少は続き、47年後の2065年には8808万人、65歳以上の老年人口比率は38.4%となり、ほぼ4割が高齢者になる。

生産年齢人口比率は51.4%に落ち込み、現在(2015年)の60.7%を大きく下回る。働ける人が2人に1人の時代になりつつあるということだ。

男性に限って言えば、100人中24人が、一生のうち1度も結婚してないんですよ。若者たちが抱える「日本社会の未来に対する不安」が、初婚年齢に少なからず影響を与えているのだと思います。

生活スタイルの変化もある。

●当面の唯一の解決策は移民の受け入れにシフトすること

<世界の移民人口 国別ランキングベスト5>

1位 米国……4662万人

2位 ドイツ……1200万人

3位 ロシア……1164万人

4位 サウジアラビア……1018万人

5位 英国……854万人

28位 日本……204万人

在日韓国人に対する差別。日本は単一民族志向が強い。

ジム・ロジャーズの最新刊より

日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く (講談社+α新書) 新書 – 2019/7/20
女性に対して、閉鎖的な考えが強い。女性天皇にも否定的。私だったら日本を捨てる。

少子化を食い止めるため、移民が必要。

外国人に対する職業、教育、住居差別が残る

●韓国の多文化共生の現状

実は、多文化が広がっている韓国でも、まだまだ外国人妻への抵抗は多い。韓国語、韓国料理のできない妻への虐待もよく起きる。

国内滞留外国人が230万人を越えながら,韓国が多文化社会でつかつかと近寄るようになった。もう通りと地下鉄,食堂で会う100人中4人は外国人だ。

韓国が多文化社会で早く進入しながら,各種葛藤と摩擦が相次いでいる。

関連政策と制度,認識が多文化社会で進入する速度に追いつけずにいたためだ。

昨年春済州道で発生したイエメン難民事態(イエメンから来た難民を排斥しようとした)で見るように韓国社会はまだ難民または移民を喜んで受け入れて,共存しようとする用意を見せなかった。

保健福祉家族部による多文化家族の実態把握に向けた3年ごとの実態調査▶社会的差別や偏見を予防するための、多文化家族の理解促進に向けた広報や多文化理解教育▶多文化家族の構成員を対象とした生活情報の提供と社会適応教育や職業訓練教育支援▶平等な家族関係構築のための家族相談や夫婦教育▶家庭内で発生する暴力防止への努力や被害者に対する保護及び支援▶産前産後の健康管理に対する支援▶児童の保育及び教育への支援

217の自治体で「多文化家族支援センター」アジアで唯一、永住権を持つ外国人に地方選の参政権を付与

日本の国際結婚の割合は1965年にはわずか0.496にすぎなかった。

しかし,1981年に1%に達した後の変化は速く、6年後の1987年に2%を突破し,

その2年後の1989年には3%を突破した。バブル経済崩壊とともにそのスピードは落ち,10年後の1999年に4%を超えた後は2006年の6.196をビークとして減少に向かい2012年には1990年代半ば頃と同水準の3.5%となっている。

こうした国境を越えた結婚移民は.韓国でも急増している。韓国では1990年代初めに「産業研修制度」が導入されたことをきっかけとして外国人労働者が急増したが.2000年代になると,国際結婚による女性の移民が急増した。

1990年には1.2%にすぎなかった国際結婚の割合は.2005年には13.6%まで増加し,8組に1組が国際結婚となった。このうち韓国人男性と外国人女性の結婚が83.796と大半を占め,特に農村地域では3組に1組が韓国人男性と外国人女性との結婚である。

国際結婚の急増とともに,人身売買まがいの惡質な結婚仲介業者の問題.家父長的な夫婦関係や家族関係のなかで.嫁である外国人女性への虐待や文化摩擦.韓国語によるコミュニケーションがとれない問題,子どもの教育問題などが顕在化した。

こうした問題の解決をめざして2008年に制定されたのが「多文化家族支援法」である。

この法律が制定された重要なきっかけは,2000年代後半になって国際結婚によって生まれた子どもたちの多くが学齢に逮したことにより,こうした子どもたちの教育が重要な政策課題として認識されるようになったことである。

法律が制定された当時に「多文化家族」として想定されていたのは.出生時に韓国国籍を取得している者(認知や帰化による国籍取得者は除く)と外国籍者との結婚だけだったが,2011年の改正で「認知または帰化による韓国人と外国人,または帰化者」で構成された家族にも対象を拡大したことにより,棘国国籍を後天的に取得した外国人労働者の家族や脱北者の家族も支援を受けられることになった。

「多文化家族支援法」の制定に先立ち,2006年には「在韓外国人処遇基本法」が制定されている。「在韓外国人処遇基本法」が外国人の韓国への早期定着に重点を置いているのに対し,「多文化家族支援法」はより長期的な視野に立った家族政策の1つであるという点で違いがある)。つまり,「多文化家族支援法」は外国人の定住化を前提とした統合政策に相当する。

韓国語や韓国社会に関する知識などを外国人自身が習得することだけではなく,その人たちを迎え入れる側が偏見や差別意識を克服することの重要性も考想されている。

最近では韓国語に加えて,母親の母語も身につけることによって,母親の親族とのコミュニケーシヨンをはかることや自らのルーツに対する自信や誇りをもち,健全なアイデンテイテイを構築することの大切さも認識されるようになり.ソウルや仁川市では二重言語教育が開始されている。

一方、お隣の韓国では2004年から外国人労働者を受け入れている。外国人労働者受け入れで一番懸念されることは、自国の労働者の職が奪われることであろう。人手不足といっても業種や企業規模などによって大きな差がある。外国人労働者が、自国の労働者が就業しない職場で働けばいいが、そうでない場合は両者で競合が起こり、自国の労働者が職場から押し出されてしまう可能性もある。その結果、失業率が高まってしまえば、国民の不満が高まることも予想され、政府としてもこれは避けたいところであろう。

韓国では外国人労働者を受け入れるため雇用許可制度が導入されたが、この制度は外国人労働者により韓国人労働者の職が奪われないようさまざまな工夫が盛り込まれている。結論から述べれば、一部で問題は出ているものの、この工夫は概ねうまく機能している。よって韓国の雇用許可制は日本にとって大いに参考になる制度ではないだろうか。(韓国の新聞報道など参考)

●緻密な韓国の雇用許可制

さて具体的に韓国の雇用許可制を見ていく。

同制度で入国する外国人労働者は、一般外国人労働者と特例外国人労働者に分かれる。特例外国人労働者は、両親か祖父母が韓国籍を持っていた者であり、圧倒的に中国の朝鮮族が多い。

日本に参考になるのは、一般外国人労働者であり、以下はこれについて説明していく。

なお、一般外国人労働者が就業できる産業は、農水産業、建設業、製造業であり、サービス業はごく一部の業種でしか就業が認められていない(ちなみに特例外国人労働者はサービス業への就業が広範に認められている)。また送出国は、労働者数が多い順からカンボジア、ネパール、インドネシア、タイ、スリランカ、ベトナム、フィリピンなど16カ国である。

外国人労働者と韓国人労働者の競合を防ぐための仕組みのひとつ目は、韓国人を2週間募集したにもかかわらず人が集まらなかった企業のみが外国人労働者を雇うことができることである。

これであれば、韓国人があまり働きたがらない零細企業やいわゆる3K業種を中心に外国人を雇うことができ、外国人が韓国人の職を奪うことにはならない。

2つ目の仕組みは、永住権を得られない期間に限り就労を許可することである。雇用許可制の下では、3年間の在留が認められ、さらに雇用主が再雇用した場合には1年10カ月の延長が認められる。永住権を得るためには5年間連続して韓国に住所がある必要があるため、外国人労働者が永住権を得ることはできない。

ちなみに、2012年からは4年10カ月の期間が切れて韓国から出国した外国人労働者が、3カ月後に再び雇用許可制により再入国して就業できる制度が新設された。これは仕事に慣れた外国人労働者に引き続き働いてほしいという雇用主の要望を受け入れた制度であるが、この場合でも、いったん韓国から出ているので永住権取得の対象にはならない。よって外国人労働者が永住権をとることで年々その数が増加することはない。

3つ目の仕組みは、毎年政府が不足する労働力を業種ごとに推計して、その数だけ外国人労働者を受け入れることである。景気の状況によって労働力不足の程度は変化する。すでに韓国で就業している外国人労働者が出国すれば労働力が不足する。そこで政府は、業種ごとの欠員率、翌年の景気見通し、在留期限が切れ本国に戻る外国人労働者の数などを勘案して、業種ごとに新しく受け入れる労働者数を毎年決定している。外国人労働者の受け入れ総量は管理されており、無制限に外国人労働者が流入するわけではない。

これら3つの仕組みが功を奏していることもあり、韓国では外国人労働者を受け入れることにより自国の失業が増えるといった状況には至っておらず、逆に農業や製造業の零細企業などでは外国人のおかげで事業が継続できているところが少なくない。

●副作用は限定的

もちろん、まったく問題が生じていないとはいい切れない部分もある。たとえば、ミクロレベルでは、外国人を採用するために、韓国人が応募しないようわざと厳しい条件で募集をかける職場もあると聞く。またマクロレベルでは、人手不足により韓国人の賃金上昇が抑えられている可能性は否定できない。

ただし外国人労働者を雇用している零細企業は、体力がなく賃金の引上げが難しいところが大半であると考えられ、このような企業が人手不足により事業継続を断念すれば、韓国人の雇用減にもつながりかねない。よって、総じてみれば外国人労働者受け入れによるメリットは大きく、副作用は限定的であると考えてよいだろう。

日本でも人手不足が深刻化している。この解決策のひとつは外国人労働者の受け入れであろうが、実際に制度を設計する場合には、韓国の雇用許可制は大変参考になる。韓国は新しい制度を導入する際に日本の成功事例を参考にし、これを自国向けにアレンジして取り入れてきた。韓国では外国人労働者を受け入れることで、韓国人を集めることが難しい業種や中小・零細規模の企業の人手不足が緩和されている。

人手不足解消の切り札となっている韓国の事例、日本がこれをしっかりと知る価値は大きい。

(文=高安雄一/大東文化大学教授)

https://biz-journal.jp/2018/05/post_23518_2.html

●全国・全地域の外国人比率ランキング

ここで全国の状況を見てみよう。順位 自治体名 外国人比率 外国人人口 人口総数

A÷B 2010年(A) 2010年(B)

1 大阪市生野区(大阪府) 20.342% 100% 27,260人 134,009人

2 川上村(長野県) 15.748% 77% 783人 4,972人

3 大泉町(群馬県) 12.974% 64% 5,223人 40,257人

4 南牧村(長野県) 11.395% 56% 402人 3,528人

5 新宿区(東京都) 7.889% 39% 25,742人 326,309人

10 坂祝町(岐阜県) 6.399% 31% 535人 8,361人

11 港区(東京都) 6.337% 31% 12,999人 205,131人

12 豊島区(東京都) 6.284% 31% 17,888人 284,678人

23 台東区(東京都) 4.483% 22% 7,886人 175,928人

24 大阪市西成区(大阪府) 4.434% 22% 5,408人 121,972人

42 蕨市(埼玉県) 3.643% 18% 2,605人 71,502人

●埼玉、日本の課題

基本的に単一民族志向が影響。さらに、天皇制との関連も。

ネットウヨの実像。なぜ嫌韓がはびこるのか社会的不安の裏返し。

社会的弱者への攻撃自分も弱者であり他人が「恩恵」を受けていることへの怒り

外国人との共生埼玉は東京に近く、家も購入しやすい

多文化の先進地になるべきだ

●川口市

はたくさんの外国人が住んでおり、その数は県内一、全国でも3番目に多くなっています。

駅前はもちろん、地域の中でも外国人を目にすることが多いのではないでしょうか。

家の近所に外国人が引っ越してきた、子どもの通う学校に外国人の生徒がいるなど、外国人との交流の機会も増えてきているでしょう。

さて、このような状況の中、私たちは近くにいる外国人のことをよく知っているでしょうか?

新しいものを見ると、自分とは異なる点を意識しやすいですが、文化が交わるとき、正しい答えは一つとは限りません。

川口市に住み始めた外国人に日本の文化や習慣・ルールを知ってもらうために、私たち日本人も外国人の文化や習慣を知り、お互いを尊重・理解し合える環境作りを心がけましょう。

川口市に多い国籍上位5カ国1位中国2位ベトナム3位大韓民国4位フィリピン

5位トルコ

●芝園団地

【日中防災スタンプラリーin芝園団地】

9月18日(祝・月)14時~16時、NHK主催の防災イベントが開催です!

楽しい防災教育などで地球市民賞を受賞したNPO法人「プラス・アーツ」さんの協力で、いざという時に命を守る知恵を、老若男女、国籍問わず誰でも楽しく学べるイベントを企画しています。

芝園かけはしプロジェクトも協力!入場は無料で素敵な記念品(先着200名)もあり、中国語通訳の方々も参加します。

もの凄く楽しいイベントに参加したい方、実は芝園団地に来てみたかった方など、この機会にぜひお越し下さい!

【多文化交流クラブ-芝園ラボ-のご報告】

7月21日(日)、多文化交流クラブを開催しました!

今回のテーマは「実験」!

熟したトマトを見分ける実験、ろ過装置をつくる実験、スライムをつくる実験、を用意して、

チームで一緒に実験に取り組んだり、それぞれ違う実験結果を見せ合ったりしながら、皆さんが気軽に交流できることを目指しました。

当日は、子どもから大人まで、40名超が参加し、大変にぎやかな会となりました。

交流に関心がある方、実験に関心のある方、…、それぞれの関心に応じて、参加いただけたようでした。

「実験」という初めてのテーマでしたが、多くの方々に楽しんでいただけたようで、安心をしました。

こういう交流を通じて違う文化、風習を持つ人に寛容になる。

参考 

団地と移民 課題最先端「空間」の闘い

団地と移民 課題最先端「空間」の闘い 
●はびこるヘイトと日本人

社会不安が反映。

社会的弱者で、恩恵を受けていると感じるとネトウヨは容赦ない。

ネット右翼の平均年収は約450万円(日本人の平均年収と同程度)、4大卒(中退者を含む)は6割を数え、その平均年齢は38歳強、男女比はおおむね3:1程度、主に東京・神奈川を中心とした首都圏在住者が全体の2/3に迫る。最も多い職業は「自営業者」であり、会社員であっても「管理職」といった他の労働者に対して指導的立場にある者が多かった。

現在のネット右翼は、丸山眞男の定義する日本型ファシズムを支えた主力、つまり「中間階級第一類」に驚くほど酷似しているといわなければならない。彼らこそが、政府・大本営の発表を鵜呑みに、翼賛体制の一翼を担って「鬼畜米英」を唱え、一方唱えぬものを「非国民」と呼ばせた社会の主力だったのである。

右傾化の主力は「貧困層、社会的底辺層」であるとか、「貧困であるがゆえの鬱憤を差別発言によって発散している」などというのは根拠なき幻想であり、いつの時代でも、常に右傾化を支える主力は社会の中間を形成する中産階級なのである。

2%だが発言力は大きい。現在の嫌韓言論を指摘することが必要。

『ネット右翼の終わり』晶文社より

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52663

yahooコメント分析

立教大学木村忠正教授

ハイブリッド・エスノグラフィー:NC(ネットワークコミュニケーション)研究の質的方法と実践
より

強烈な批判的、嘲笑的視線を投げかけ、社会的少数派や弱者に対するいら立ちを強く表明したり、愉快犯的にからかう。「生活保護」「ベビーヵー」「少年法(未成年の保護)」

「沖縄」「中韓」「隙害者」など少数派への批判的视線、非寛容は、バラバラの現象ではない。少数派が多くの困難に直面していることへの配慮よりも、「弱者利権」「被害者ビジネス」といった言葉に現れているように、少数派だと主張して権利や賠償を勝ち取るような行為として捉え、その人たちなりの公正さを積極的に求めたり、揶揄するのである。こうした社会心理が、「ネット世論」に通底して強く脈打っている。

●アジアの人たちは、DNAで見れば非常に近い 憲法の精神を生かせ

篠田謙一は、日本の分子人類学者、医学博士。国立科学博物館人類研究部研究グループ長などを務める。

以下は「日本人になった祖先たち―DNAが解明する多元的構造」(224~225p)より。

「考えれば、現在は縄文.弥生移行期以来二度目となる、外部からのの流入と国内での均一化が進んでいる時期であるとも捉えられます。染色体の日本の社会は大きな混乱もなく渡来した人たちを受け入れて、新たな社会を作ったようにも兄えますが、二度目の今回はどのような経過をたどるのでしようか。

伝統や文化を大切にしながら、新たな社会を構築していく、私たちの知患が試されることになるでしよう。現在、世界的な規模で起こっているヒトの移動は、経済のグローバル化と相まって、図というもののあり方を大きく変えていくでしよう。

その潮流のなかで、私たちが国のあり方に関してどのような選択をするのかは、今後の重要な課題となるはずです。戦前へ回帰するような風潮は、もしかするとそれに対する一つの反応なのかもしれません。しかし、今後ますます進むボーダーレスの社会にあって、普遍的な価値を持たないナショナリズムにこだわって未来があるとは思えません。

私たちはかって、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と宣言したことがあります。それから六〇年以上が経って、この考え方が時代に合わないと考える人が増えてきたように思えます。

●DNAで考えれば民族の差はない

しかし、私たちの持つDNAを研究してみると、そもそも人類の持っているDNAの違ぃはごくわずかでぁること、そしてその成立の経絳から私たちの持つDNAは、ほとんどが東アジアの人々に共有されていることがわかりました。

これからの私たちの社会のあり方は、この精神を否定するところからではなく、ここから出発することが求められているでしょう。どのみち、信頼関係が構築できなければ、人類に未来はないのですから。

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