断片XIII 「透谷」を巡礼する
私がしている「透谷巡礼」を「考古学的」と形容するのが適切かどうかについては、 正直なところ議論の余地があると思います。例えば、隣接する領域として、ここでは それとの対比が前提となっている歴史学以外にも、人類学、先史学、古生物学の ようなものが思いつきます。歴史学というのは文書記録に基づくものであり、 文字記録が残っている時代は歴史学の領分と一般にはみなされていますが、 たとえ明治時代であったとしても、文書記録ではない遺構に基づくものであれば それは考古学の領分ではあります。