アントン・ヴェーベルン(1883-1945):指揮者としてのヴェーベルン
現在ではヴェーベルンは間違いなく歴史上重要な位置を占める作曲家であろう。だが、ヴェーベルンの場合にはそれは寧ろ死後の名声であった。それでは生前の彼は一体何であったかと言えば、指揮者であった、というのが恐らく妥当なところではないかと思う。
指揮者としてのヴェーベルンに触れることができる資料として、SONYのヴェーベルン全集に収められたシューベルトのドイツ舞曲のヴェーベルン自身による編曲の演奏があった。また、指揮者ヴェーベルンについての証言としてすぐに思い浮かぶのが、アドルノや