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山崎与次兵衛アーカイブ:作曲家論集

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これまでWebページ、Blog記事として公開してきた、クラシック・現代音楽の作曲家の人と作品についての文章をアーカイブ。
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#フランツ・シュミット

フランツ・シュミット

 後世に回顧されることがあるとすれば、CDという媒体がLPレコードに替って主流になった1980年代後半からの四半世紀弱の期間は、それまで聴くことができず、いわば「取り残された」作曲家の作品に接することが容易になった時代として記憶されることになりはしないだろうか?再生技術の発達は、一回性であった演奏を記録し、後で再生可能なものにした一方で、時代の嗜好につれて変遷しながら、市場の規模に応じて限定されたコンサートのレパートリーから零れ落ちてしまう作品に接する機会をも提供することにな