アイヒホルンのブルックナー交響曲選集についての覚書
クルト・アイヒホルンがリンツ・ブルックナー管弦楽団を指揮したブルックナーの交響曲選集は、私にとって少なくとも3つの理由で 関心を惹くものであった。
1.最初はこの録音の企画に起因するもの。(1)第9交響曲の終楽章つきバージョンが収録されていること。 ここではサマーレ、フィリップス、マッツーカ校訂の「現存手稿譜による自筆スコア復元の試み」演奏会用バージョン(1992年12月)が 採用されている。(2)第2交響曲のキャラガン校訂による2種の初期稿(1872年稿, 1873年稿)が