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効率的な店舗設計

今回は店舗設計に関しての話です。

2009年にオープンした2号店(今は閉店済)は福岡を中心に展開する大手チェーン店の居抜き物件だったのですが、そこのキッチンやホールで作業する中で、その店舗設計について感心することや驚きや発見の連続でした。

現在の3号店を含め、1号店、2号店共に全て前の経営者からの引継ぎ物件(居抜き物件)ですが、同じイタリアンでも1号店は本業が飲食業ではない会社の物件、2号店は創業から30年の歴史がある大手飲食チェーン店の物件でした。

ちなみに余談ですが3号店は我々の経営する前は焼き鳥屋さんでした。

3つの店舗を経験して痛感することは、2号店については「店舗設計に関して考えつくされている」ということです。

つまり、30年間の経験とノウハウが店舗設計に反映されているので「なるほど」「そういうことか」と思えることが多々ありました。

一言で言ってしまうと、オーダー対応が高品質且つ最短で出来るように設計されているということです。

ポイントを記載すると、


①キッチンの調理場とホールの飲料・デザート作成場が近いのでコミュニケーションがとり易く、オーダーの提供管理(どの席にどのタイミングで何を持っていくか、その為にどのタイミングで何の作業すれば良いか)がしやすい。

②調理工程や動線に合わせた設備・配置になっている。(パスタで言えば、麺を茹でる→具とソースをフライパンで調理する→茹で上がった麺をソースに絡める→更に盛り付けるという工程に合わせてそれに必要な機器が配置されている。且つ作業スペースが広く、必要な場所に必要な食材が配置出来る設計になっている。)

③発注・在庫管理がしやすいように、保管スペース(冷蔵庫等)が豊富に揃っている。

といったことでしょうか。

1号店での経験を生かして、2号店では「こういうキッチンの設計にしよう」と自分の中で思っていたことが結構実現されていましたし、自分が発想していなかったことも多々あり、「短期間で30年分のノウハウを手に入れられた」と思った程でした。

ただ、店舗設計で売上があがるわけではないので、それに見合った集客がなければ、宝の持ち腐れになってしまいますし、逆につくりが立派である程、コスト(水道光熱費等)もかかるわけで、そのつくりが逆に重荷になってくるというということもありえるわけです。

その為、立地選定の段階で売上(客数×単価)を予想してそれに見合った店舗設計を行うということが肝心になるわけです。

2号店(約50坪80席)のケースで言えば、想定した売上を確保できなかったので、店舗規模及び店舗設計が重荷になってしまったのだと思います。

店舗が大きければ、光熱費だけでなく、適切なサービスレベルを維持する為にその広さに応じた人件費もかかりますし、店舗が大きければ大きい程、想定した売上が確保できなかった場合のリスクも大きくなるのです。

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