人相

母の肺癌が脳に転移した時の記憶が今も強烈に残っている。

見舞いに行って母を見た時、顔が今までの母と違うのだ。

眉間にシワを寄せて目にイライラや不平不満を募らせていた母。

今、目の前にいる母は、
何の憂いも無い仏様の顔だった。

癌である事を忘れ、死んだ父を生きていると思い、家に帰りたいと言う姿は子供の純粋さそのもの。

精神状態が顔に現れる事を知った初めての出来事だった。

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