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国道16号線育ちです

書店でふと見つけた一冊の文庫を、思わず購入しました。

「国道16号線」(新潮文庫) 柳瀬 博一 著

養老孟司
「関東に歴史あり。実に腑に落ちる」

三浦しをん
「ビバ16号線! 今後は『16号線育ちです』と胸を張ります!」

首都圏ぐるり330キロ、16号線をめぐる、刺激的な日本文明論!!

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千葉市出身の私にとって16号線は馴染み深い道です。
八千代市にある高校まで自宅から1時間弱、16号線を自転車で通った思い出もあります。
本書でいうところの16号民です。

本書では、なんとなく過小評価されてきた16号線の、実は高いポテンシャルとその歴史を、様々な角度から解説されています。
16号民にとって胸躍る内容です。

個人的に音楽の歴史へと繋がる16号線の話が興味深く思いました。

非常にざっくりですが、
日本が開国した時代、貿易で生糸産業が発達。
生糸の集積地だった八王子から横浜に生糸が運ばれた道が現在の16号線。
また軍港横須賀と現在の横田飛行場とを16号線が繋いだ。
戦後、進駐軍の影響でアメリカ音楽がこの地で発展。
ハウスと呼ばれた外国人向けの住宅が狭山、福生あたりに多く作られる。

このような歴史の流れがあったことはその後、

八王子の呉服屋に生まれたユーミンこと荒井由実や、
狭山市のハウスで「HOSONO HOUSE」を作った細野晴臣、
福生市に長年住み続けた大滝詠一、
東京に行くはずがなぜか横浜に降り立った矢沢永吉、
茅ヶ崎のリゾートホテルでバイトしていたらしい桑田佳祐など、

錚々たるミュージシャン達の誕生や、彼らの音楽が生まれる流れへと繋がっていきます。

この流れに16号線が深く関係しているということで、本書の第3章「戦後日本音楽のゆりかご」は刺激的でした。(私は千葉サイドの16号民ではありますが)

地形が推し進める人の歴史は壮大で面白いです。


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