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握力落ちてもなんとかします『どこでもグリップ(シロクマ)』 〜新しいモノ、試します ③


こちらの工事で使う手すりの棒には、凹凸(ディンプル)がついたものと、そうでないものがある。上から体重をかけて使うところのものは(横手すりですね)、ハンドレールと言って手をすべらせて使うことが多いこともあり、特に凹凸はいらないと自分は判断しているのだが、縦や斜めの手すりは必ずしもそうではない。

ここでは縦手すりで考えてみる。支持基底面を広げる効果を発生させるためには、利用者さんの体重を分散させて、その手すりから力を垂直方向に逃がす必要がある。そしてその手すりから上向きの反力を受け取ることが必要なのだが、ツルツルの手すりであると、そのための力の内訳は棒を握った時の表面摩擦力だけになる。
難しい言葉を使ったが、要は手すりを握った時、ズルっと滑らないことが必須ということである。

なら最初から凹凸付きの手すりにすればいいじゃない、という考え方もある。でも、こちらはツルツルの手すりに比べて、手垢がつきやすいということと、価格が高くなるという2つの不利なポイントがある。なのでこちらも利用者さんの能力に合わせて、どちらか選んでお勧めすることが多い。


でも、取り付けたときは大丈夫でも、その後で握力が落ちることは、ある。
つまり手が滑って使えなくなる。そんな場合によっては、縦手すりの両端の金具部分を持ってその力を伝えてもいいのだが、それがちょうどよい高さにあるとは限らない。そうなると、この手すりが取り付けた当初の狙いを果たせなくなる。

なので、そんなときはその手すりの中間部に何らかの出っ張りがあると良い、ということになる。


あるんです、そういうときのための部品も。

どこでもグリップ【(株)シロクマ 】

まずは、トップ画像をご覧ください。なんか丸いやつです。これを、

ネジを外して、カパっとこうして
プラスドライバーでネジを締めて
ツルツル手すりに出っ張りができました

かゆいところに手が届く手すり等のメーカー、(株)シロクマさんの製品です。

他社さんからも同じような製品が出ているみたいですが、オリジナルはこちらかと思われるので。
調べたら2011年11月発売、そこまで新しいモノではないですね(汗)。


というわけで、これを使うと直径60mm、外周長180mmの球を、必要なところに追加できます。介護保険で使えるかは限りなく怪しい(やったことがない)のですが、なにぶんネットでは一個500円程度で購入できますので、自費でも気軽にお試しできるのでは。

なお、室内の手すりの太さは、各社おおよそ直径32mmか35mmに統一されているのですが、ご購入の際は付けたい場所の径がどちらか、確認をお願い致します。


ちなみにこれ、凸凹(ディンプル)のついた手すりにも問題なく付きます。

こんな感じです


そして、一番有用だと思われるのがこれ。樹脂タイプのこの製品なら、お風呂用の凸凹の手すりにも付きます。位置変更も自由。

TOTOインテリアバー φ32にもOK

カラーバリエーションは樹脂タイプがアイボリー(白)・ブラウン・コーラル(赤)の3つ。上記の通り、水回りもOKです。


ほかに金属タイプもありますが、お値段が少しお高めかつ、φ38mm対応品があるのと、なにより硬い。なのでそちらは外部手すり用として考えるのが良さそうです。

シロクマさんのカタログより引用 バリエーションもいろいろ

身体の変化に伴って、今まで手すりを使ってできていたことが、再び怪しくなることもあります。そんなとき、こういった製品を知っていると、あと一息、自力でまだやれるように環境をコントロールできたりもします。
どうぞ、お見知りおきをいただければ。




余談

そもそも滑りにくいという触れ込みの凸凹のディンプル付き手すり、どのくらい滑り防止効果があるんじゃろ?と思って、その凹んだところの径も測ってみました。

φ32mmの手すり棒、ツルツルのやつで計算すると外周長はおよそ100.5mmとなるのですが、ではディンプル付きを実測してみます。

細いテープを凹みに巻いて
測ってみると・・・

おおよそ97mm、といったところでしょうか。ツルツルの手すりと、ディンプル付きの手すりの直径の違いはφ32mmのやつで3mm、という結果となりました。

こちらが、ディンプル付き手すりにそこまで拘らないのは、その効果が程々程度であるということと、いざというときには、今回取り上げた部品のような、しっかりと滑り止めになる後付けパーツの方が効果は高いよね、と思っているところもあるのです。


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せっかくなのでリンクも張ってみましょうかね。
32mm径のアイボリー色、お風呂の手すりにどうぞ。

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