#11 夏の憂鬱

蝉が苦手だ。
幼少期のとある事件(通称蝉の大合唱事件)により私はセミが大の苦手になってしまった。トラウマ級である。(アドラーが聞いたら鼻で笑いそうなものだが)
セミファイナルしているかどうかの蝉を見かけたら遠回りをして帰るし玄関前に蝉がいるようなものなら見て見ぬふりをする。
通勤途中の道でセミの鳴き声が大合唱してきたら出社する前に家に帰りたい。
ベランダに蝉がいようものなら大地に帰らないかととりあえず祈る。
蝉というものを見なかったことにして過ごすことが夏をやり切る対処法になっている。
この蝉嫌いに関しては周りに理解してもらうつもりもないのだが話題に使うと蝉に対しての擁護の意見が出てくるのだ。
曰く。
・蝉の命は儚い
・蝉だって一生懸命生きている
・蝉の鳴き声を聞けば夏だって思える

全部くそくらえである。
こっちは夏を快適に過ごすために蝉という存在をシャットダウンし必要とあらば見て見ぬふりをしていたらいたでこそっと遠回りをしていくだけだ。
そもそも蝉側の意見なんて聞いてないのである。(そもそも蝉の心の声は聞こえないし)
自分の人生のQQLをあげるために蝉から離れるのである。致し方ないのではないだろうか。
また蝉の鳴き声が聞こえるようになってくればまた憂鬱の季節がはじまるんだろう。蝉、いないところってどこかにあるかしら。


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