難民を明るく受け入れる方法(1)

移民というと、だれもが否定的なイメージ。2,3世代後に、分断が起き、荒れる若い世代、そんなイメージがある。ヨーロッパで起きていたからだ。

フランスに郊外の危機という言葉があり、移民の住む団地は失業率2倍、荒れまくっていて2005年暴動も起きた。このことは後に触れる。

しかしいまは2021年、スマホで音性翻訳もでき、昔ほど偏見もない。状況が変わりつつある。人の頭は柔らかくなってきた。

日本も朝鮮系の人を受け入れ(実際は連れてきて)その後の同化政策でトラウマがある。ためらう背景には、その失敗の記憶があるのだろう。

しかしいまも禍根、トラブルのあるこの問題も同時にとりくむことで、移民のイメージを変えられる。それに、現在移民がマイナスのイメージでも、これから彼らの子孫が日本に溶け込み活躍する可能性は大きい。

「人口ボーナス」という言葉があり、人口が増えるのは本当はとても良いことで、ヨーロッパもアメリカも、移民で発展した面も大きい。

日本だって、最大の問題が人口減少だという人は多い。

ロジカルに、移民を積極的に検討すべきという橋下氏の発言に同意したい。橋下氏、維新に私も偏見を抱いていたが、最近の動向はむしろ感嘆の念を抱いている。

ここに、海外の移民政策を検討した官僚のレポートがあるので、引用しながら考えたい。https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2009pdf/20090601003.pdf

1・「2030年には1070万人の労働人口減少が見込まれる(女性、高齢者らの労働参加が進まなければ)。」これは大変な数で、今の労働人口の6分の1がいなくなるということだ。

2・「かつて大量に流入した移民の2世、3世は、語学力の不足、低学歴などを理由に厳しい雇用環境に置かれ」これは概ね多くの人が移民に抱いているイメージと同じである。語学と学力、それに社会制度の差別が鍵となっている。

フランスの06年法、07年法は、要するに教育、職業訓練の提供と引き換えに同化への合意を求め、また移民をDNA検査も使って「同化の見込める」一族だけを入れる、というものである。単純といえば単純、当たり前の法内容だ。

このうち語学は、いま安価な音声翻訳機が開発され、ネット動画での教材もいい。壁は低くなる。また社会的な偏見も、若い世代では圧倒的に低くなる。

世界的な交流の発展が、人種や民族の壁を低くしてゆくのは確実だ。閉鎖的なわが国でさえ、スポーツや芸能の世界で次々混血の名選手、名人が現れ、意識を変えてゆく。

温暖化の難しさに比べれば、どれも当たり前の、人の努力で超えられる壁しかない。イスラムのスンニ派とシーア派のような、根深い対立さえなければ、超えられる。上にも書いたが、西洋でも日本でも、いま不遇な運命の移民の子も、次の世代制度が変わって大いに羽ばたけることが、ほぼ確実だ。






 

         

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