マガジンのカバー画像

平井洋のクラシック本音レポート

主なクラシックコンサート、CD、DVDなどの少々突っ込んだレポートです。
¥500 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2016年2月の記事一覧

「『冬の旅』はやはり奥の院だった」と思い知らされた映像作品

シューベルトの「冬の旅」は、いわゆる「クラシック音楽の奥の院的作品」の一つ。

奥の院的作品というのは例えばバッハの「マタイ受難曲」。武満徹、吉田秀和、ソフィア・グバイドゥーリナ、御喜美江等々、様々な方向の方が、究極の1曲としてあげておられる。「無人島に持っていく一枚」も年配者で投票したらこれが一番なのではないだろうか。リヒターの旧盤とかで。

それからベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲。第9も荘

もっとみる
上演中の林光作曲「オペラ クラブ マクベス」及び上演団体こんにゃく座のこと

上演中の林光作曲「オペラ クラブ マクベス」及び上演団体こんにゃく座のこと

ただいま、東京吉祥寺の吉祥寺シアターで、オペラシアターこんにゃく座による林光(はやし・ひかる)作曲「オペラ クラブ マクベス」が上演されている。

こんにゃく座ファンはじめ、このあたりまで守備範囲の現代音楽、オペラファンの方にとってはイメージがつかめるだろうが、遠目に見ているだけで、若干敷居が高い方もいらっしゃるだろう。例えば普通のイタリア・オペラファンとかオーケストラの定期会員の方とか。

こん

もっとみる
東京二期会の総合力を見せた「イル・トロヴァトーレ」

東京二期会の総合力を見せた「イル・トロヴァトーレ」

東京二期会によるヴェルディのオペラ「イル・トロヴァトーレ」が始まった。

「イル・トロヴァトーレ」はヴェルディの中期40歳前後の作品で「リゴレット」と「椿姫」が前後の作品で、文字通り働き盛りの充実期に次から次へと後世に残る曲が生み出された中の一つ。

歌好きからすれば、それぞれの音域の名アリアや難アリアがたくさんあり、まさに声の饗宴のような曲。カラヤンがだんだん大家になってレパートリーを絞ってきて

もっとみる

別格の名作シュトラウス「メタモルフォーゼン」のパーヴォ&N響はどうだったか

リヒャルト・シュトラウスの交響詩・管弦楽曲は、私にとっては好きな曲と、そうでもない曲が歴然とはっきりしている珍しいジャンル。このレベルの作曲家だと「嫌いな曲」ということはほぼなくて、大体は演奏が良いか悪いかに興味がいくが、例外もあるわけだ。同じR・シュトラウスでもオペラは全部好きだが。

2016年2月17日はNHK交響楽団のサントリー定期で、指揮がパーヴォ・ヤルヴィ。そこでシュトラウスが2曲「メ

もっとみる
「能×現代音楽アーティスト」青木涼子

「能×現代音楽アーティスト」青木涼子

青木涼子(あおき・りょうこ)は、「能×現代音楽アーティスト」とご自身のサイトの略歴には書かれている。

もっとみる
2016年2月23日浜離宮朝日ホール 高橋悠治ピアノ・リサイタル

2016年2月23日浜離宮朝日ホール 高橋悠治ピアノ・リサイタル

2016年2月23日は浜離宮朝日ホールで高橋悠治ピアノ・リサイタル。ここ数年、毎年今くらいの時期に同ホールでリサイタルを開くのが通例のようになっている。

もっとみる