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何でも無い日が、特別な日になるということ。

息子が一歳になりました。

両家の両親も集まっての、本当に賑やかな誕生日でした。本人は何のことがわからない風でしたが、皆に誉められ撫でられて、とても楽しそうでした。

飾りつけされた部屋、離乳食プレートにケーキ。仕出しの会席に、御寿司に手料理。

家に着いてから早々、えっ段取り良いわね、お疲れさま!とお姑さんにも言ってもらえたけれど、まだ、そのときは手放しで喜べませんでした。

「息子の誕生日のお祝いの日なのだという事」に、こころが全くついていけていなかったのです。

このことは、イベント好きな自分としては信じられない出来事でした。

***

思えば、本当に実感なく、この日をむかえました。
一升餅や赤飯、ケーキなんかを着々と準備しながらも全く「きゃー!一歳おめでとう!!」というようなテンションではありませんでした。

それでも、日にちは迫る。やっぱり初めての誕生日なんだから何かしてあげたいなぁ、と料理サイトをみたりケーキキットなんかを購入してせっせと仕上げていました。
けれど、実感はなく「明日、両家の両親がくるから、ちゃんとしなくちゃ」ということばかり考えてしまっていました。

当日。

ふと、ケーキをつくりながら飾り気のない部屋に気付いて、何だか不安になりました。

「夫くん、飾りつけ、したほうがよかったかな?」

あとは言葉になりませんでした。
うまくいえませんでしたが、あまりの顔色だったのか不安は伝わったようで、夫は「まだ時間あるよ、行こうよ。」と、当日にもかかわらず飾りを買いに車をだしてくれました。小さな飾りや壁にかけるようなフラッグを2、3点買うと、私たちは急いで帰り、飾りました。

***

食事も無事に終わって、ケーキの番になりました。
まだ私はこころが追い付いていませんでした。

ああ、何だか申し訳ないな、と思ってしまいそうになる自分の気持ちを、気のせいだとかきけして、ケーキに刺さった蝋燭に火をつけました。

でも。

♪Happy birthday to you
Happy birthday to you…♪

お姑さんのピアノの伴奏で、みんなで息子に歌を歌った瞬間、

急に、、本当に急に、実感が沸いてしまって。

やっと心から、息子が生まれて一年たったのだ、と、今日が、そのお祝いの日なのだと、実感が沸いてきて、歌いながら泣きそうになってしまいました。

ありがとう、息子。
本当に生まれてきてくれて、ありがとう。

ろうそくの火は、私が代わりに吹き消しました。

先ほどまで感じてしまいそうだった後ろめたさは、消えてなくなっていました。

親0年生も無事修了しました。
1年生をまた一歩ずつ歩んでいきたいと思います。

おめでとう!

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