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【童話 #21】たっくんの夏休み

※これは子どもむけのお話になります


たっくんにはお父さんがいません

たっくんが赤ん坊のころに天国へいってしまったのです

たっくんはママと二人でくらしています
だけど、ママは昼も夜も働いていてほとんど会えません

たっくんは近所にすむお友達のところで遊んで過ごします

本を読んだり、せまい家の中でかくれんぼをしたりしています

たまに近所の本屋に一緒に遊びに行くこともあります

本屋さんではお友達の家で読むことができないくらいのたくさんの本を読むことができます

だから、たっくんは本屋さんへ行くのがとても楽しいです


今日は8月31日で夏休みが終わる日です

いつも行く本屋さんで働いている店員さんは気づきました

いつも絵本コーナーに小さな子ども用のイスをならべて本を読んでいる二人が一人しかいません

どうしたのかな?
店員さんは少し心配になりました

たっくんの背中を見ると何だかさびしそうです


「今日は一人ぼっち、1つのページをめくるのにこんなに力がいるなんて・・・。明日は仲直りして一緒に来るね。もう言えるよ、ごめんなさい。」


たっくんは最後のページをめくり終えるとやさしく本を閉じました


【おわり】

ありがとうございます。気持ちだけを頂いておきます。