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西麻布テルマー湯に行って思った、カルチャーとプライス

サウナが好きなマーケターです。サウナ好きが功を奏して、こんなサウナも作っているのでよろしければ熊野古道へお越しください。

先日オープンしたての西麻布テルマー湯に行きました。そこで感じたサウナブーム→カルチャーになっている点。顧客から見たプライスと施設から見たプライスについてザックリ書きます。

サウナ・スパテルマー湯西麻布

六本木駅から徒歩5分程にある大型サウナ施設です。

テルマー湯HPより
テルマー湯HPより

3つのサウナと2つの水風呂があり、ロウリュウサービスや豊富な内気浴スペースがあります。サウナ室は108℃と高温なサウナ室があり、水風呂はシングル(10℃未満)としっかり整えるサウナです!

何故こんなに空いている….?

アラビアンな感じが初体験

4月12日オープン・六本木の一等地・都内最大級とあり、かなり混雑してるのでは?と思っていました。が、事前にTwitterでエゴサをするとかなり空いてる情報が。どうしてだと思い、前情報なしで向かいました。

サウナがカルチャーへ移行している。

いきなり話を変えます。
僕はサウナがブームからカルチャーへ移行しつつあると思っています。
タピオカはブームで終わり、今でもみんなが毎日飲む飲み物にはなっていません。でもサウナは未だにみんなが熱狂し、メディアが勃興し、アパレルブランドができて、家に建てる人も増えてきています。

僕の主観です

ブームは一過性、カルチャーは生活に入り込んで成立します。サウナ付きのマンションなどはまさにカルチャーに移行する象徴ではないでしょうか?

顧客目線に立ったプライスの考え方をザックリ解説

さらに話を変えます。
お客様が「この値段、さすがに高いよ~」「この価格でも満足」と思う基準は、簡単に解説すると「プライス」=「期待値」であり、プライスを分解すると「実利価値」×「ブランド価値」だと考えます。

これも主観です

・実利価値はざっくり"効果・効能・機能"です。(定量で測りやすい)
・ブランド価値はざっくり"使ってて誇らしい、共感する"などの気持ちを生み出す雰囲気・世界観・デザインなど、想起されるものです。(定性的で計測が難しい)
※ブランドの考え方は違う時詳しく書きます!もしブランディングを学びたければ桜井さんのnoteおススメです。

ブーム期とカルチャー期ではプライスの捉え方が変わっていく

プライスはその人の中で「このラインより高いとちょっと。。」という基準値が存在します。機能的価値だとこの基準値がある一定で定まってします。だから世のマーケターはブランド価値(付加価値)をどう高めて、機能価値だけでない世界観で勝負を仕掛けるか日夜脳内に汗をかいて考えています。

・ブーム期
実利価値×ブランド価値の基準値が不明瞭。そのため新しいものに飛びつき、その都度判断を下します。
・カルチャー期
実利価値×ブランド価値の基準値を把握してきます。

サウナにおいても、顧客(サウナ―)の舌は肥えてきてしまったのです。
自分の好きなサウナスタイル(アイデンティティ)が醸成されており、新しいサウナ=すぐ飛びつく対象ではなくなってきています。
つまりサウナ(主に都内)が飽和状態に入りつつあることを示唆しています。そのため新しいサウナができる場合、舌の肥えたサウナ―をうならせる実利価値×ブランド価値を提供しなくてはなりません。

サウナの基準値が出来上がった

サウナの基準値を4象限で考えてみました。

主観+好きなサウナ羅列

(左下)頻度が高く・価格が安い「日常的なサウナ」=ホームサウナになりやすいと思います。皆さんここに第一の基準値を持っていないでしょうか?
目的:日常的のストレス緩和のルーティンとしてサクッと整う

(左上)そして休日のプチ贅沢として、露天風呂もあり、休憩スペースもあり、「2時間で出るのはもったいない!!」という「休日のプチ贅沢」という第2の基準値を持っていると思います。
目的:自分へのご褒美・平日の喧騒から離れ自分のペースを取り戻せる

そこからさらにサウナ好きは右側のサウナを目的とした「旅」や「エンタメ」というカルチャー領域へ移行しているでしょう。

顧客の基準値と事業主の基準値のずれ

西麻布のテルマー湯に戻ってきました。
3500円という価格はおそらく「休日のプチ贅沢(左上)」に入っているでしょう。その基準値(実利価値×ブランド価値)に適合してるかがリピートの判断材料になるはずです。

3500円のサウナ施設の実利価値(大﨑の)

【僕が思う実利価値】です。隣の〇×判定は主観です。

・露天風呂がある ×
・サウナが複数種類ある ◎(108℃のサウナがあり満足)
・水風呂が複数種類ある ◎(160cmの深い水風呂とシングルの水風呂)
・都会だが外気浴スペースが充実 ×
・静かな雰囲気で、リラックスできる ×
・シームレスでストレスのないUI・UXか △

3500円のサウナ施設のブランド価値(大﨑の)

【僕が思うブランド価値】
・贅沢してると実感できる体験時間の設計 ×
・ゆっくり日常と隔離できる空間設計 ×
・どんな体験をしてほしいかが伝わる設計か △(どんな体験をしてほしいか読み取りずらかった)
・その設計・デザインに統一感があるか ×(高級さと安っぽさのミックス感が強かった)

※全て自分の個人の感想です。そして僕はかなり整い、空いてたことも功を奏して満足度が高かったです。

コストから考えたプライスに付加価値を付ける

上記のような、プライスの考え方の差が生まれて日中や仕事終わりの空いている現状があるのかと思いました。じゃあもう潰れるのかというとそうではないと思います。

西麻布テルマー湯はこうやって勝っていくのでは

①深夜の六本木難民の救済
宿泊がComming Soonでしたが、六本木の深夜の難民がサウナに入って仮眠を取って帰るという、新たな夜のエンタメのスタメン入りを果たすのではないのかと思っています。

②六本木マダムの美を彩る体験の場に
ジム・岩盤浴・高めのレストラン・サウナなどあったらいいなが揃ってる
×
お金がかかってもそこに価値を見出す人
×
体験時間(おそらく5時間程度)を捻出できる
人が六本木周辺には一定数いるのではと思っています。

テルマー湯西麻布店HPより

HPのコピーを見る限り、僕のような通常のストレス解消サウナ―(マイナスを0に戻す目的)の方をPP(prime prospect)と捉えていません。だから既存サウナ―の人の評価が高い・低いという議論がそもそも場違いの可能性もあります。※もちろんサウナ好きという意味ではST(strategic target)には入ると思いますが。

PP:西麻布にいながら、気軽に極上の体験によって自分磨き×リラックスを同時に楽しみたい富裕層(特に女性)
なのかもしれません。だからサウナではあまり収益性が高くない女性サウナが常時設置されてるのではないでしょうか?

現在サウナアーリーアダプターがこぞって西麻布のテルマー湯に行っているが、本来のターゲットではない人たちが先に来てしまう構造によって、いびつな評価を生んでいるのではないかと思います。

ちなみに僕は整った×空いており自分のペースで入れるのでまた行きたいです!

話は変わりますが、尊敬するマーケター仲間とこんなイベントやります!


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