神保洋平

アイディアや最近知ったことのメモ用。主に音楽、数学、言語学、人類学のことを考えています。

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最近の記事

7平均律の6音目が第29倍音と近い話

"7平均律の6音目が第29倍音と近い"という話を聞いたので、いったいどのくらい近いのか、ちょっと計算してみましょう。 まず、7平均律の隣り合う1音の周波数比は2^(1/7)となるので、基音の周波数をA(Hz)としたとき、そこから6音高い音の周波数はA*2^(6/7)Hzとなります。 続いて、基音の周波数をA(Hz)としたときの29倍音の周波数は当然A*29(Hz)となりますが、これだと音が高すぎて比較しにくいので、オクターヴ等価性(オクターヴの上下を同じ音とみなす)を利用

    • 管長と音程の関係について

      任意の長さの管を吹いて音を出した時、管長と音程の関係について、以下のような式が成り立ちます。 ※ただし、ƒ:周波数[Hz]、T:気温[℃]、l:管長[m]、r:菅の半径[m] [導出] 音速v[m/s]と気温T[℃]の関係式はv=331.5+0.6T ……① 波が一秒間に進む速さv[m/s]は振動数ƒ[1/s]と波長λ[m]の積なので、v=ƒλ……② 開管の場合、基本振動では管長l[m]の倍の波長λ[m]になるので、λ=2l……③ しかし、開口端補正(実際の振動の腹は管長

      • イボドラム(ウドゥ)と[ɡ͡b]の話

        ウドゥという楽器をご存知でしょうか?壺のような形状の……というかもう壺そのものを楽器にしたみたいなやつでね、打楽器なんですけどね。まあ知らなくてもこの記事は読めるので大丈夫です。 ウドゥは別名イボドラムといって、日本で売られる際はどっちかで表記してあったりどっちも表記してあったりします。で、ウドゥってのは現地人の呼び方です。現地人とは誰かというと、ナイジェリアに住んでるイボ人のことです。イボ語で素焼きの壺のことをウドゥ(udu)と呼んでいて、それを叩いたのがこの楽器の発祥だ

      7平均律の6音目が第29倍音と近い話