見出し画像

#4 『浅田家!』 Review

日本映画学校の同期、中野量太監督の新作『浅田家!』を観てきました。
@TOHOシネマズ池袋

※極力ネタバレしないよう書きます。
と前置きしながらも、ファーストカットがいい意味でファーストカットらしくないクリストファー・ドイルのような流れる映像で驚きました。おぉ、和室でこんな撮り方をするなんて! 意外な変化球から始まった。

私は最近、前情報を一切遮断して本編の鑑賞します。なので中野さんがジャニーズと映画を撮っている、あとチラシを見たくらい。なにやら豪華キャストで東日本大震災のことが描かれる。前情報はこれだけ。

画像2

画像3

さて始まりました、新作の中野ワールド! これまでほぼ全ての作品を観ています。(学生時代から)とにかく前半は大笑いしました。これは音楽の効果がかなり大きい。軽快なリズムでノリノリ♪ たぶん私の座席だけ揺れていました笑 それぐらい浅田家の家族写真を撮り始めるシーンは観ていて楽しかった。これ撮影現場もきっと楽しかったでしょうね。そんなことを思いながらニヤニヤして観ていました。ちなみに実話を元に構成した物語というから凄い。こんなユニークな家族がいるんだと、どんどん引き込まれていきました。

そして後半。ここからは東日本大震災での様子が描かれます。前半あれだけ大笑いしたのに、今度は涙が止まりません。ひと席空けたソーシャルな隣人さんは身を乗り出して食い入るように観て号泣しています。おそらくボランティアかなにかで現地に行かれたのか、東北出身の方でしょう。

反対側のソーシャルな隣人もハンカチを取り出し泣いています。この笑いから泣きへの振り幅は動から静へ、身が固まるようで当時を思い出しこれがフィクションではなく実話であることから、画面に映っている人たちへ感謝と誇りと尊敬の思いで映画を超えるものがありました。映像化した中野さんは偉い。心の中で拍手を贈った。

自分の中のなにかトゲトゲしているものが削ぎ落とされるような感覚に陥りました。浄化、とまではいいませんが、観終わった後、とても幸せな気分になれたのです。

そして考えました。もし、私があと一本しか映画を撮れないとしたら? 最後なにを撮るのか? 企画中の案ならいくつもあるけど、その中からどれを選ぶか?

あと一本、、、

本当に次に作る映画が最後になってもおかしくない世の中です。また大きな震災がやってきたり、コロナ以上の感染力を持つウイルスが流行して、といった具合に予測のつかない未来を私たちは今生きています。そうだとしたら、最後の映画はとびっきり笑えるコメディをやりたい。

この映画から学ぶことは計り知れない。実話を元にしているだけあって説得力もあります。映画館のロビー物販コーナーでは既にパンフレットや文庫版の小説は売り切れ! なので残り二冊のみが置かれた原案アルバムのチカラを購入しました。もともと購入するはずではなかったけど、観終わった後もっとこの作品や浅田政志さんのことを知りたいと思い帰宅後読みました。

画像1

風化させてはいけない、とはよく言うけど日頃の忙殺により、東日本大震災や私の故郷である熊本地震のことを毎日思い返していたかと問われれば、忘れていた日もあります。とくに今はコロナの影響で自分の家族のことでいっぱいだったり。そういう意味でもこの映画の存在はありがたかった。

あとエキストラで参加したかったな。現在公開中の行定さんの新作『窮鼠はチーズの夢を見る』で久々エキストラ出演した私は、いろんな監督のもとエキストラで現場にいることも勉強になるのではと考えています。中野さん、そしてこの記事を読んでいただいている映画関係者の皆さん、私を呼んでください。どこへでもまいります💨 元々、役者もしていましたので要求に応えます。そのときの記事↓

ここで中野さんとのツーショット写真を掲載しようとPCのデータを調べていたら、、、無い! 以前『チチを撮りに』(2013年)を観に行ったとき撮ったのに。ということでFBにあったのでリンクを貼っておきます。

先ほどの『アルバムのチカラ』ではないですけど、データってやっぱり信用できないですね。保存しておいたと思ったらないんだから。かといってプリントはしていないし。

それで日本映画学校時代のアルバムを出してみたら、誰がなんの目的で撮ったのか不明な中野さんのドアップ写真が出てきました。ベレー帽?被っとる。当時は学校に行くとき常にカメラを持参していた。今のようにスマホで何でもすぐ撮れる時代ではないので全てフィルムで撮って現像していた。携帯電話さえまだ持ってなかった頃。なんせSNSのない時代ですから! 貴重なデジアナ世代です。

画像4

映像科・演出コースだったのですがけっこう私、俳優科の人たちと一緒に出演しています。1997年(1年生)の2学期に行った16mmフィルムの基礎演習映画。700フィート使ってます。これはプリントされた写真なので、この先100年は残るでしょう。

日本映画学校の思い出

卒業制作にも俳優として登場。香港のベニー・チャン監督にそっくりな周ちゃんのオファー!! ベニー・チャン監督は今年8月23日、上咽頭がんのためお亡くなりになりました。享年58歳。最後の作品は『コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝』(2017年)だと思います。ご冥福をお祈りいたします。ジャッキー・チェンの『Who Am I ?』(1998年)で、ジャッキー作品を洗練したストーリー仕立てにし作品の質をグッと押し上げた知的な監督です。

話を戻して、ちなみに中野さんは学生時代に私が自作自演で作った台湾ロケ敢行の自主映画『英雄青年 Mr.Young Hero』(1998年)にチンピラ役で出演しています! 新百合ヶ丘で台湾人のウォン役の私を猛ダッシュで追いかけています 笑

さらにマニアックな情報として『浅田家!』の監督補としてクレジットされていた塩崎遵くん。彼とは同じ榎戸ゼミでその『英雄青年 Mr.Young Hero』では、私の頭をビール瓶で殴りつけるという悪役で登場しています。その写真が残っていました。打ち合わせ中ですね。

画像6

左端でビール瓶を持っているのが塩遵。もちろん撮影用に作られたビール瓶です。(当時ハンズで1,000円ぐらいで売っていました)

このように写真っていいですね。20年前の記憶も一瞬で蘇ります。右端でハンガーを持っている鍋ちゃんは『刑事物語』の武田鉄矢さんのハンガーヌンチャクで戦うという珍パロディーをやってくれました。どんな映画やねん! 木製の両端が輪になっているハンガーってなかなかないんですよ。探しに探したっていう記憶も、、、

画像7

台湾にウォンが帰国するシーン(@羽田空港)←もちろん無許可のゲリラ。塩遵に撮影をお願いしました。「こう撮ってほしい」と打ち合わせしています。カメラはVHS-Cですよ! 知ってます? ググってください 笑 (車輌も兼任した鍋ちゃんは徹夜明けで仮眠中💤)

英雄青年

そんな『英雄青年 Mr.Young Hero』のポスター2種(当時はまだ本名記載) 学生時代にデザインしたんですよ。そして大教室で特例として上映会をさせていただいたり。教務課の先生方、本当にありがとうございました。映画監督の榎戸耕史さん、脚本家の井上淳一さん、編集の坂東直哉くんらが出演し、メインの撮影は今や芸人の桐野安生くんだしなんだこの自主映画!

画像9

上映前には大ちゃんと舞台挨拶までやるという徹底ぶり! そのときの写真も映像も残っています。まさか当時の写真を今という令和になってnoteで使うなんて、写真って未来につなぐバトンのような役割がありますね

なので超個人的な意見です。自作に悪役として登場した仲間たちが作った映画が『浅田家!』笑 こんなレビューの落とし方でいいんだろうか。いやいや、それだけ写真と思い出は大切だよっていうことで。過去の自分と向き合える貴重な時間もいただきました。

ぜひご家族みんなで、映画館で観てください👍


〜最後に宣伝〜
2020年秋、第3回知多半島映画祭でグランプリを受賞し、第16回長岡インディーズムービーコンペティションにて審査員特別賞を受賞した短編映画『上にまいります』をYouTubeでついに大公開します!! Coming Soon.

✅YouTube:スタジオウーニッシュの【ウーチューブ】
チャンネル登録よろしくお願いします!


そして、投げ銭ありがとうございます。喫茶店でコーヒー代にさせていただき執筆活動の励みになっております。


🍀 最新情報はこちら → Twitter

🍀 映画おたくレビュー → Instagram

🍀 新しい動画 → ウーチューブ

🍀 過去の動画 → 堀河YouTube

🍀 いいね大歓迎 → Facebook

🍀 総合窓口 → HP


みなさまからのご支援は、映画や映像制作の資金として大切に使わせていただきます。小説執筆の取材費にもなります。あと、Babyのオムツ代にも^^ ありがとうございます♪