賞賛には、感謝を。

岡山・西粟倉村を離れて数日、ようやく以前の日々が戻ってきたという感じです。この間またしても更新が滞ってしまったわけですが、このように、また文章を書き始めることで、徐々に感覚を取り戻していきたいと考えています。

「一度でも途切れてしまったものは、再びそれを始めたとしても、もう元のそれではない」ということを、今まで生きてきた中で何度も実感してきました。

なのでこの「山脇、毎日。」も、良くも悪くも西粟倉村以前とは違う形になるんだろうなあと、その違いはどこまで表に出るんだろうと、そんなことを考えています。

9/7から2週間以上滞在した西粟倉村では、大きく2つの目的がありました。1つは「仮初めでも良いから西粟倉村民として存在すること」もう1つは「EVERY DENIMの山脇として存在すること」でした。

1つ目については、また10月以降にその想いの丈を述べたいと思います、まずはもう1つのEVERY DENIMとしての滞在について。期間中は、「元湯」で試着展示会を開催しながら、そこを訪れる多くの人に、アドバイスをいただきました。

西粟倉村には自ら事業を手がける人たちが多く暮らしており、また、その方たちに会うために、遠方から多くの人が訪れます。そんな人たちと話す中でこれからのぼくが大切にしなければいけないと思ったのは、「自分のスタンスを示す」ということでした。

直接意見をいただいたり、ぼくが勝手に感じ取ったり、その形式はバラバラだったのですが、この2週間で驚くほどこの1点について何度も考えさせられました。

「とにかく、自分が何を良いと思うのか。それをはっきりとさせること。自分が良いと思うことは、決して万人にとっての良いや解決ではないかもしれない。それでも、良いと思えるか」

日頃からさまざまなフィードバックを受ける中で、ともすれば忘れがちになってしまうこの自分のスタンス。"EVERY"(みんな)DENIMの名の下に、ぼくはいつしか良し悪しの判断基準まで受け手に委ねようとしていたのかもしれません。

「とにかくみんなに受け入れられたい」そんな気持ちばかりが先行して、発信側に頼りなさや迎合が見え隠れした時、伝えたい想いなんて届くはずがありません。

だからといって「わかる人だけわかれば良い」と思っているわけではありません。少しでも多くの人に、みんなにわかってもらいたい。わかってもらうというより、知ってもらい、考えてもらうという言葉の方が適切でしょうか。とにかく、外に広げていきたいイメージはいつも持っています。

賞賛には、感謝を。批判には、覚悟を。真っ直ぐに、ただ1つのぼくたちに向けて発せられたメッセージには、その眼差しのまま返したいと、そう誓ったのでした。

山脇、毎日。