手に負えない問題を知りすぎてしまった人たちへ
4日間一緒に過ごした弟が、岡山へ戻っていきました。
今回も、ほとんどずっとミーティング、対面だと進まないような話題にしぼって、今後のEVERY DENIMの動きをしっかりと決めていく。遠隔でやりとりして、なんとなく煮詰まっていないテーマを先に進めるつもりでした。
しかし、いざしゃべってみると、(少なくともぼくにとっては)面白いように同じところで話が止まってしまう。先に進めようと思っていた事項が全然決まらない。
「結局、会っても変わらないのか」と、落胆したような、でも、面白いような、不思議な感覚でした。
落胆したのは、これは笑い事じゃないからで、もしかしたら知らぬ間に思考回路が似通ってきていて、ユニークな解決策を出せなくなくなっているかもしれないから。
面白いと思ったのは、それほどまでに、遠隔でのコミュニケーションが洗練されていることを確認できたから。少なくともぼくたち2人にとっては、電話などの通話ツールは、確認だけじゃなく思案としても機能しています。
だとすれば、ぼくたちがいまやるべきなのは、「いつもと違った場所でミーティングしてみる」のではなく、「他の人の知恵を借りやすくする」ことなんだと思います。
もうこれ以上、2人できつく、閉じるのではなく、これからは、ゆるく、開いていく。このスタンスの変化を、ぼくは前向きに、進歩だと捉えたいです。
今後は、もっともっと、「自分たちがどう見えているか」を意識し続けなければいけません。そのためには、もっと、自分たちの考えを言葉や態度で表すべきだし、
それについて、組織の外から意見を言ってくださる人は本当に貴重で、ありがたいです。
誤解される可能性がとても高いのですが、ぼくは「友達であれば分かり合える」とずっと信じています。
白黒はっきりつけがたい、難しいと言えるようなテーマは身の回りに溢れていて、自分の生涯をかけて全てに真面目に取り組むのはなかなかできない。
「手に負えない問題を知りすぎてしまう」のは、今を生きる人間の宿命だと思います。
自分が門外漢である一方で、友達が熱心に向き合っていれば、ぼくはそれを信頼したいし、信頼できる人間でいつづけたい。信頼し合える友達がたくさんいれば、それって素敵なことじゃないでしょうか。
友達になれるかどうかは、「実際に対面した」中で「どれだけ心を開けるか」にかかっているので、いきなりすべての人と友達になるのは難しい。
でも、ぼくが新しい人に出会うペースを超えて、この考えだけでも広がってくれれば、いまは、それでいいと思っています。
だから結論としては、「1人1人が、自分の身の回りの、体温を感じられる、大事にしたい人を、大事にしよう」という考えになる。
「人を大切に想う気持ちを共有したい」「正しさより楽しさを」この2つはぼくの、ぼくたちEVERY DENIMの、大事なポリシーです。
人によって考えが違うのは当たり前だからこそ、提案したいし、共感されたいし、何より、他の考えを学びたい。
そんな風にして、死ぬまで"暫定解"を持ち続けたいのです。
山脇、毎日。