「大切」を共有できる人でありたい

8月に岡山で行なわれた、鎌田安里紗さんとEVERY DENIMの対談。過去2回に続き、最終回となる《後編》が本日公開されました。

ファッションは「ハード」ではなく「ソフト」で選ぶと、もっと楽しくなる《後編》|Qreators.jp

各回の対談内容は、時が経つのを忘れて何時間も話し込んだものを上手に編集していただいています。

あっちこっち自由にしゃべり続けた結果生まれた、まとまりのない音のまとまりを、ここまでキレイに構成立てしてくださったFelix清香さん、ありがとうございました。

ここで、改めて今回の対談で公開された3つの内容を振り返ると、


前編:ファッションや買い物における価値観について(現状)

メディアがファッションをオカシくしてる?「買う」ことだけが正しい時代じゃない《前編》|Qreators.jp


中編:ファッションやライフスタイルにおける理想のあり方について(理想)

「作る、消費する、捨てる」以外のファッションブランドを作りたい《中編》|Qreators.jp


後編:ファッションを楽しむための自分作り(現状から理想に向けての行動)

ファッションは「ハード」ではなく「ソフト」で選ぶと、もっと楽しくなる《後編》|Qreators.jp


となっています。

そして、《後編》が公開された本日、以下の内容をツイートしました。


対談の公開と同時に、今日、目で見た2つの大きな事実から、上のようなことを強く意識したのです。

1つは言うまでもなくアメリカ大統領選挙。もう1つは、『地球が壊れる前に(原題:Before The Flood)』という、気候変動を憂いた俳優レオナルド・ディカプリオの、2年に渡る活動を追ったドキュメンタリー作品です。

地球が壊れる前に|番組紹介|ナショナル ジオグラフィックチャンネル(http://www.ngcjapan.com/tv/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/2058)

ぼくたちは人と関わりながら生きる限り、絶対に社会に影響を及ぼさないことは不可能で、望んでも望まなくても、自分の些細な選択は周囲に小さく作用します。

しかもその選択にはちっとも悪意なんかなくて、ただ自分がなんとなく良いと思う方を選んでいるだけなのに、知らない間に誰かを傷つけていたり、なんかとんでもない大きな力を生み出していたりする。

意識しなければ何も知らないまま過ごしてしまう、違う価値観の存在にも気付けない。

「現状を知り、理解し、自己否定に陥らず、前向きに、理想に向けて楽しむ」

行動にすれば本当に目の前の1つ1つを変えていくだけなのに、楽しむに到達するまでのハードルがあまりにも高すぎる。

ぼくはいままで、いま自分が書いているようなことを、どちらかといえば冷めた目で見ている人間でした。

「細かいことごちゃごちゃ言うめんどくさいやつ」になりたくないので、ヘラヘラ笑っていられるキャラクターであり続けようとしました。

でも、数年前、岡山で多くのデニム職人さんと出会い、瀬戸内で起きているものづくりの現状を見たときから、そんなことは一切思わなくなりました。

誰1人悪い人間なんていなくて、作る人も売る人も買う人も使う人も、みなこれで合っていると思うことをしているだけなのに、繊維産業の現状はいびつな形になっていて、どうやらすぐには変えられそうにない。

そんな中で「どうすれば工場の人たちの役に立てるか」を考えたときに、たどり着いた答えは

「何が正しいかはわからないけど、自分が大切だと思うことを、他の人にも、大切だと思ってもらえるような人間になりたい」

ということでした。

ぼくは日本のデニム工場、繊維工場を大切にしたい。自分が幸せだと思える洋服に身を包んでいたい。その善悪の判断は一旦置いといて、その大切な気持ちを、みんなと共有できる存在でありたい。

そんな風に思います。

先の対談で挙げた「現状-理想-行動」の三段階は、以前参加したG1U-30フォーラムで教わった考えそのものでした。前向きに行動するためにも、理想を掲げ続ける必要性を感じました。

「何が正しいかはわからないけど、自分が大切だと思うことを、他の人にも、大切だと思ってもらえるような人間になりたい」

みんながこんな風になれたら素敵だなあと。そして、何より自分がもっともっともっと、人と楽しみを共有できる人間でありたいと、今日の出来事を通じて、強く、強く思います。

山脇、毎日。