ジャズが流行らない理由

散々語られてますけど、世代についての言及は見てないのでここに書いておこうと。

ジャズって若いミュージシャンは先ずは大御所ミュージシャンに使われる事が目標だったりするんですよ。「誰々のバンドでやってます」っていうのがステータス。
それは上の人間が下の人間を引っ張ってゆくという文化なわけです。

昔からチャーリーパーカーがマイルスを育てて、マイルスがコルトレーンを育てて。というようにスタープレイヤーは若い人材を発掘して育て上げるという文化があったわけです。

それが日本の現代のジャズシーンではなにか上手くいってないような。
例えば上の世代に引っ張られたプレイヤーのデビュー作は大体遅いです。早くても30歳前後が多いと思います。そして上の世代に引っ張られた若いプレイヤーの客層は上の世代なんです。自分たちと同世代とか下の世代を向いていない。それって廃れるしかないですよね。

今の日本でも若いスタープレイヤーはいますが、彼らは誰々のバンドで頭角を現すという事もなく、いきなりデビューします。矢野沙織、松永貴、上原ひろみ、桑原あいなど。彼らは日本のジャズの文脈からは特異な存在だったりします。この中でも特に上原ひろみさんは若いリスナーを多く獲得した人だと思います。なにしろメタル大好きなうちの兄が聴いてたくらいですから。

若い人に上手くアプローチできたバンドがsoilやペズ、fox capture planなどではないでしょうか。ジャズじゃないとか言われるようなタイプですが、逆に時代によって変わっていくのがジャズであるということに忠実だと思います。

昔、石井彰さんに、どうしてピアノトリオでこんなにエナジーに溢れた演奏ができるのかと聞いたことがあります。その時に「それは音を削ぎ落として削ぎ落としてやるんだ」と言われた僕は秘訣を教わったような気になり、「わかりました、頑張ります!」と言ったら、「いや、君たちは君たちの世代のやり方を見つけていくんだよ。」と言われたんです。一つのやり方にとらわれない事、自分の音楽を見つけていく事、考えさせていただきました。

話が逸れましたが、若い世代にアプローチできるジャズ、これを考えないことには未来はないでしょう。それは説明不要な当たり前すぎる真理です。

ちなみに自分がやっていたゲーム音楽ジャズバンド、淵野辺クエストはそういう意味では同世代や若い世代にアプローチする方法としては良かったなあと思います。この話題で有名なミートたけしさんも同じような論法で彼がやっている公式スクエニジャズについて語っていました。まあ僕は公式が始める8年前にやってたんで。。笑

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