映画「違う惑星の変な恋人」
監督:木村聡志
美容室で働くむっちゃん(莉子)は先輩のグリコ(筧美和子)と仲良くなる。グリコに復縁を迫るモー、グリコの知り合いでイケメンのベンジー、、4人の恋の矢印がグルッと絡み合う物語。
恋愛群像笑劇を好む演出家たちが嫉妬しそうな脚本!絶妙にいそうでいない人々による会話がいちいち面白いやつ。セリフの言い方とか間も良いのじゃろうけど、会話のセレクトというかネタが秀逸。長回しで会話を楽しむって観点からだと舞台化したら面白そう。この恋愛たちには答えを出さないでずっとグルグルとやり取りを傍観してたいな〜、と思ったところで最後はアレです。ネタバレ言わないですが。
終盤になって気づいた巧みな演出としては4人の四角形から1人外れてるキャラ(主要キャラのもう一人の恋人)を置いてること。あ〜、、人知れずハミ出ちゃってひっそり終わってる恋愛ってあるじゃろな。オレわりとこの人だわきっと。参加できなかった恋愛劇ぜんぜんあるよ。と弾かれた経験を思い出しちゃったのは私だけかもですが、小さな輪の物語ってその輪の外にいる人たちの存在が効果的だとより楽しめるんすよね。
「なんでこの人はこの人をいつの間に好きになっちゃったんだっけ?」て考えながら見ちゃうんだけど、4角関係以外の恋愛を見ると「あ、理屈なんか関係ねえか!矢印なんて人知れず毎日変わっちゃう可能性あるんよな」
て妙に納得もしてしまう。不思議なもんです。
久々かもしれないですコンスタントに笑いを取れていて持て余した時間もなく鮮やかさを感じたコメディ映画は。木村監督のセンスの賜物ですね。もっと売れてほしいけど一気にシネコン合わせな商業映画は作らないでほしいなあ。キャスティングもちょうどいい具合ですし。このサイズの会話劇を永遠に見続けたいです。同じキャラを他の映画にも出してるし、物語が繋がれば繋がるほど面白そう。次回作も楽しみです。
蛇足ですがサブキャラの名前だけで爆笑こいたのは初めてかも、サッカー好きなお客さんしか反応してなかったけど多分ww