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映画「ホモ・サピエンスの涙」

監督:ロイ・アンダーソン

絵画のような映像美と形容されるロイ・アンダーソン映画。今作もまさに!カメラFIXでの1シーン1カット。1枚々々美しく楽しめますね。隣のおじさんは開始10分で寝ちゃってた、、仕方なし。この静的な映像は眠気も誘うと思います。海外でふらっと美術館に入りがちな人は好きそうな世界です。

この映画についての記事を読んだりするとテーマは大きく書かれがち「人類には愛がある」「悲劇に負けずに生きていく」「幸せは1瞬」とかとか。でもそんなでっかい方面で定義を決めなくていいと思います。オムニバス的に1カット映像が33個も連なっており、観る側それぞれが解釈すればいいのです。なんぼでも。人生を考えたり、誰かに感動したり、ノスタルジックになったり、滑稽なシーンに爆笑してもいいわけで。33個ほぼ全てが世界のどこかで起こっていたであろう場面で、映画から壮大なテーマを探しても意味ないような、、そんな気がします。

酒飲みながらそれぞれの好きな1シーンを語り合ったら楽しいかもですね。きっと全員揃わないから。ちなみに私は駅での再会が一番好みだったかな。寂しさとほっこりした優しさとが1カットで味わえて。さっき自分がいた駅のホームの反対側でこんなこと起こってたのかもって。なにげない場面から大きな事件まで、、様々なレンジにおける全ての出来事が地球の上では並列であって一瞬でもある、と。ナレーションが「〇〇な人を見た」とか主観で語ってるので、その主語は地球か神かロイか。。まあ分析めいたことは野暮なので、各々でじっくり何かを感じましょう。これもまた映画の真髄です。

http://www.bitters.co.jp/homosapi/

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