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映画「れいこいるか」

監督:いまおかしんじ

〜1995年、神戸で暮らすイチ子と太助は1人娘のれいこを震災で亡くしてしまう。その後離婚した2人はそれぞれに困難が起こりつつ、時折接点もありながら生きていく。 

あらすじにしちゃうと2.3行ですが、震災で傷を負った夫婦の20年間、、しんどさ詰まってますよそれは。子供を亡くした親の後日リアリティを感じるシーンがいくつかあって、そのとあるセリフでは涙をつぶつぶ流してしまいました。今回はネタバレしたくないので細かく書きませんが。胸が詰まったな〜。子を持つ親は私よりも泣けちゃうんじゃないかな、あのシーン。

この映画低予算だし、音でも画でも技術的に細かな点が気になるクオリティであることは否めません。ただそれで評価は下がらない。リアルな脚本だし、役者の熱量も伝わるし、普遍の感情を捉えてるし、綺麗ゴトだけじゃない人間を丁寧に描けてる。今年の邦画では最も心が動きました。

ひろしさんという印象的なキャラクターが出てくるのですが、冒頭では関西ローカルあるあるキャラくらいにしか思ってなかったのが、物語の経過とともに重要な役割へと変化してく演出も効いてた。すごく効いてた。彼がそんなファンタジックな扱いとは、、なるほどUPLINKの廊下にひろしパネルが置かれてるのも納得!やられた感ある。

なんとなく予告やチラシだとしっとりな震災復興物語っぽく思われてるかもですが、それだけじゃないですこの映画。そもそもベースは関西ノリの会話で笑いが挟まってくるから暗いトーンに振り過ぎてない。夫婦/親子/友人関係だったり、恋愛、喪失、病いに老い、20年超で起こる人の道の全てがテーマなのです。"それでも生きていく人々"のポジティブな物語。

いまおか監督ティーチインよくやってますし、ぜひ映画館を訪れてたくさんの拍手をして欲しい。
https://reikoiruka.net-broadway.com/


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