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映画「荒野に希望の灯をともす」

監督:谷津賢二

あらためて中村哲さんの功績と信念に感銘を受けました。
干ばつ・貧困・伝染病・戦争という悪循環に苦しむアフガニスタンやパキスタンの人々に対し診療所を建てて救いの手を差し伸べ続け、医師なのについには大河に堰を作って用水路を建設するという大規模な解決策を実行する。なんて崇高な考え方と行動力なのでしょう。清潔な水によって現地の方々が自給自足できる環境を整備し悪循環を止める方法に着手していたのです。

このドキュメンタリー映画は国際平和への道は国家間の利害を孕んだ対話以外に近道もあることを身をもって示した偉大な人物中村哲さんの伝記映画なんです。毎年どこかで上映してほしいですね。きっと中村さんについて知らなかった方々に良い影響を与えられる伝記だから。

ご存知の通り悲しいことにタリバンの凶弾で中村さんは殺されてしまうのですが、その後アフガニスタンの人々は自分たちでも堰を作り用水路を整備し始めたのです。それこそが故人の目指した所でした。劇中で診療所建設の交渉をした際の「僕が死んだとしても続ける診療所をつくる」と中村さんが話していたシーン、、効いてます!撮影班よく撮影してたなあ。20年も撮影してたわけだし敬服しかないです。
殺害された詳細にあまり触れないのも戦争や報復を望まなかった中村さんの意思が反映されていた気がして、、素晴らしい判断だと思いました。

終映後の劇場内にささやかな拍手が起きました。この拍手は上映してくれたポレポレ東中野へ、中村さんを追い続けドキュメントを作った谷津監督たちスタッフへ、そして中村さんご本人への感謝や賛辞がこもった美しいものに違いありません。

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