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映画「エル・プラネタ」

監督:アマリア・ウルマン

実はウェス・アンダーソン監督の映画をシネクイントに見に行ったついでに鑑賞したのですこの作品。こっちの方が当たりでした!シングルCD買ったらカップリングの方が名曲だったみたいな。
監督・脚本・プロデュース・衣装デザイン・主演のアマリア・ウルマン。なんて才能なの!私は知らなかったのですがSNS発の現代アーティストだそうです29歳の彼女。

ストーリーはこう→ロンドンでの学生生活を終えたスタイリスト志望のレオ(アマリア)は母親が暮らすスペインのヒホンに帰るが、母親は家賃を滞納しギリギリの生活を送っている。それでも母娘は身分不相応にSNS映えする暮らしを着飾る。

アマリア・ウルマンがフォトジェニック過ぎていちいち画が美しいんです。さすが映り方を分かってる画作り。自分を美しく撮影できるってどういう感覚なんじゃろう。私には到底想像がつかない。悔しくもないほどに。母親は役者ではなく実の母でヒホンはほんとの故郷で貧困生活も実体験。セルフィー映画ではあるけど"虚飾"って誰しも身に覚えがある虚しさを生む体験だと思うし、生活厳しい中での現実逃避的な行動って人が生きていく上で時に必要というか、本質な気もします。レオが泣いてしまうシーンがあるんですけど、、もらい泣きしちゃいました。柄にもなく。そばに居たら何も言わず優しく肩を叩いてあげたくなっちゃう。ついその人間的で愛しい姿に。

"ミレニアル世代のリアル"ってポスターに書いてあったけど少し違和感を感じちゃうな〜。確かにSNSによって促進されてるかもしれないけど虚飾とか見栄って世代関係ないですきっと。他者と生きていく世界で精神面から生まれる反応?のようなものかなあ。正常範囲の。

しんどい中で見栄っ張りな2人が滑稽なんだけど、映画全体が痛々しく見えないのはユーモア含みの小ネタでしっかり笑いが取れてるから。ネタのセンスもシモあり毒っけありで好みです。全編のモノクロ映像には美しさだけじゃない意図も感じる。ラストに向けての皮肉をこめた演出じゃないかな?多分。いつかアマリアさんに聞いてみたい。
観てよかった。これだから前情報なくても見るもんだ。シネクイントさんとウェス・アンダーソン監督にもついでに感謝ですね。


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