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2023年6月の印象に残ったコンテンツ

こんなところまでわざわざありがとうございます。

だいぶNoteで発信することに間が空いてしまったけど、定期的に書きたいという気持ちは出てくるんですよね。
ただ時間が空くと、いきなり長文はしんどい。
なので今回は自分向けの備忘録に、書くことのリハビリに、6月に印象に残ったコンテンツを軽い気持ちで紹介してみます。

告白/湊かなえ

舞台はとある中学校。
終業式後のホームルームにて、教師が話し出したある事件にまつわる告白から物語がスタートする。
その衝撃の内容を受けて、更なる悲劇の連鎖が始まっていくミステリー小説。

エグいだけの話ではなく、視点が切り替わることで出来事の見え方ががらりと変わり、何を信じたらいいのかが分からなくなっていく。
傍目には全く同情できないような行動をする人物にすら、どこか理解が芽生えてしまう、そんな人物描写が巧み。
章ごとの引きも抜群に上手くて、ぐいぐいと読み進めてしまう。

読み進めるほど「これをどう畳むの?」というカオスな状況になっていき、結末の回収の仕方には頭を抱えた。
2008年刊行で既に広く知られた作品だと思うけど、読んだことがない人にはおすすめ。

世界でいちばん透きとおった物語/杉井光

ある小説家の死をきっかけに、その不貞の子である主人公が、遺作である未発表小説の行方を探しながら、父の内面に迫っていくミステリー小説。

今年刊行されてかなり話題になっている作品だけど、宣伝されているようにメディアミックスが絶対に不可能なトリックが見どころ。
何を語ってもネタバレになってしまい、かつネタバレ厳禁な作品だから書き方が難しいが、紙の小説でしかできない唯一無二の体験ができる。
これからもっと話題になるし、ひとつの金字塔として残っていくと思う。

アイディア思いついてもやらんやろ、というのを実現してしまった胆力。
それを可能にした多彩過ぎる文章表現力。
小説家ってやべえ!というのを存分に感じられます。

樋口家実家片付けプロジェクト/愛の楽曲工房

Podcast番組「愛の楽曲工房」より。
久しぶりに実家に帰ったところ、思った以上に部屋が片付いていなかったことから、片付けアドバイザーの力も借りて一家総出の「大片付け」を父母に提案する。
その顛末がどうなったのか、当人である番組MCの樋口兄弟が語るシリーズ。

ポップな語り口でちょっと笑えるエピソードトークかと思いきや、次第に家族関係の再構築を赤裸々に語るドキュメンタリー作品の様相に。
家族といえど、究極的には他人。
価値観がずれ、すれ違い、そして衝突していく。
色んな家族があるなあと思う一方で、家族あるあるな部分もあって、生々しさをダイレクトに感じられる。

日頃なんとなく分かりあっていると思い込んでいる家族とのコミュニケーションについて、考え直したくなるエピソードだった。
自分だって、いつか家族会議のために会議室を取り、パワポ資料を用意して、プレゼンをする機会が訪れる。かもしれないのだから。
このNoteを投稿している時点でシーズン2を配信中。面白いです。

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