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家族

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※閲覧注意※ 虐待描写あります。
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記事一覧

父と母が一緒に写っている写真を
私は持っていなかった

あの日約束を反故にされ
こっちから勘当だよ
そう怒鳴った直後
父の写真を全て捨てて
役所に行き分籍し
戸籍筆頭者になり
気持ちだけでも
必死で落ち着かせた

笑ってる父と母
笑ってる姉と弟

もう居ない

まだ言葉にならない

よはくのひび
2週間前
3

根を張る

緊急地震速報が鳴った 慌てて夫に連絡する そして あぁ私はもう本当にひとりなんだ 確かな手…

よはくのひび
2週間前
3

今の気持ち

空にわかにかき曇り ぽつぽつと大粒の雨 あっという間に豪雨 稲光りとともに雷鳴 雨に打たれ…

よはくのひび
2週間前
3

母の飴と電車と年齢

母のハンドバッグは ムーミンママみたいに 何でも出てきた ハンカチ×2 ティッシュ×3 ウェッ…

よはくのひび
7か月前
7

ぽっかり

おばあちゃんと 初代猫ちゃんと お父さんと お母さんと 弟と お姉ちゃんの かたちに ぽっかり…

よはくのひび
1か月前
6

通知に姉の住む地域を登録してから
どれくらいだろう
何事も無く日々は過ぎ
先日ムーッムーッ「大雨警報です」
慌ててお姉ちゃんに連絡しなきゃ

手が止まった
姉の携帯は電波はないのに充電だけされている
私が手に取った携帯のすぐ横にある

携帯の登録地域から姉の住まいを消せなかった

よはくのひび
1か月前
3

思い出の答えは空

父の自民嫌いは筋金入りだった 頭の良い父は 頭の良い姉と よく話していた 私は疎外感いっぱいで せめて挨拶だけでもと それすら無視された 父が広告の会社を経営していた時 「今に見てろ、20年後に新聞はカラーになるぞ」 そう母に言い 母はキョトンとしたそうだ 新聞がカラーになった時 母は目に涙をいっぱい溜めて 「本当に20年でカラーになって」 胸をいっぱいに詰まらせていた そうっと頷いて 後から20年とカラーの話しを 母に教わった 個人で電話を持っておらず 公衆電話もほと

新しい朝がくる

ついこの間
姉の誕生日をお祝いしたのに
もうどこにも繋がらない携帯が
私の携帯と仲良く並んでいる

次の確実な連絡は
私の誕生日だったはず

どこにも繋がらない携帯
家族の誕生日も訪れない

いつも通り起き
いつも通りの順番で過ごし
眠る
私にだけ新しい朝がくる

よはくのひび
1か月前
2

悲しみの朝

母は不思議なひとだった 私が家を出てから もうこれ以上ないくらいに落ち込んだり悲しみに暮れ…

よはくのひび
2か月前
3

どこかで命が生まれ
どこかで命が消える
それでも世界は回ってる
きっと新陳代謝と一緒
地球が生まれてから続く
命の新陳代謝

淡々とやることをやり
食べ眠り時々泣き
繰り返す日々

お姉ちゃんごめんね
大好き

みんな待ってるから
安心してね

無事見送るから
あとはまかせてね

よはくのひび
2か月前
3

姉と私 歪みと距離 更新されない時間

姉は二歳上で 活発で賢く聡明だった オーバーオールにTシャツで 団地の駐車場を走り回ってい…

よはくのひび
1か月前
4

家族の優しい嘘 の 証拠

少し前に将棋のニュースを見て 思い出した事があります 父は将棋と囲碁が大好きで 段を持って…

よはくのひび
1か月前
2

悪習慣

※閲覧注意 愚痴です。すみません※ 鎌首をもたげる 「比べる」が私の中で 鎌首をもたげる …

よはくのひび
9か月前
4

よるがくる

※閲覧注意 弱音です。すみません※ お父さんはお父さんである前にひとりの男性でひとりの人間だから お母さんはお母さんである前にひとりの女性でひとりの人間だから 間違うことだってある すれ違うことだってある 完璧なひとなんて存在しない 眠れない夜に一生懸命考えた 小学生だった私 全身の血が沸騰して 身体が裏表ひっくり返りそうな 激烈な怒りを 血を見て耐えた中学生 家族の中で異質だった私 重要な決め事がある時 先陣を切っていかなければならなかった ひとの人生を左右する大き