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音楽療法で大切なのは、待つ心

私は若かりし頃、待つことが苦手でした。
待つより行動していないと落ち着かないのです。
といいつつ、愛犬には「待て」をさせる私。
待てのできる愛犬は、私より賢いなぁ。

あ、脱線。
待つことが苦手な私に、この仕事はなかなか大変なことばかり。
なぜかというと、音楽療法で一番大切なのは待つことだからです。

例えば、お子さんが10人くらいの集団セッション。
曲に合わせてツリーチャイム(楽器)を一人ずつ回して鳴らしてもらうという活動があったとします。
勢いよく鳴らす子、曲を聴きながら優しい音で鳴らす子、さまざまです。

その中でツリーチャイムを鳴らさない子も…!
さて、こんな時よく見るのが、その子の手を持って
「こう鳴らすのよ〜!いい音でしょ〜(はい、次!)」

わかるんです、音楽療法の時間は限られているわけで、お隣の子も早く鳴らしたくてうずうずしている…
そのアプローチが間違っていると言いたいのではないんです。

しかし空気を読まずここで私がすることは"待つこと"
一択。
待つことによって、鳴らしてくれるかもしれない。
いや、もしかしたら今日は鳴らさないかもしれない。
でも、その子が鳴らさなかったことを尊重したい!

そこで鳴らさない理由を考える。
・ツリーチャイムの鳴らし方がわからない
・ピアノを聴いていたい(ツリーチャイムの音が雑音)
・初めて見るものが怖い
・ただ単にやりたくない などなど

この中でどれが理由なのかひとつひとつ考えて、それぞれのアプローチを変えていく。
今日一回で完結しないのだ。
いろいろ試行錯誤した結果、その子が自分からツリーチャイムを慣らしてくれた時、とっても嬉しいんです。

他の人からみた小さなことかもしれないけれど、
「出来ないことが出来た!やったー!」
って思ってほしい。
その積み重ねが、これから生きていく上で大切なことなのだから。

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