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パックマンは地理情報ゲームより非対称対戦ゲームを出すべき

正確にはすでに出てる。それもDbD等が流行するより遥かに早く。
2013年にGCで出た『パックマンvs.』。作者はあの宮本茂さん。
当然、超名作である。

パックマンvs.はゲームキューブとゲームボーイアドバンスを接続するコネクティビティ戦略の一貫として他ソフトの特典という形式で配布された。

FFCC等、他のコネクティビティ対応ゲームが1人GBA1台のマルチゲームという若干ハードルの高い構成を取る中で、パックマンvs.はGBA1台+コントローラー1〜3個という実現しやすいハード構成が特徴。
(GCとGBAを接続するには専用ケーブルが必要なうえ微妙に高かった)

基礎ルールはパックマンそのもの。
それに加えて非対称対戦ゲームとして以下のルールがあった。

・GBAを持ったプレイヤーはパックマン役になり、GBA画面に映る迷宮を見て、ゴーストから逃げつつドットを全て回収する。
・他のプレイヤーはゴースト役になり、TV画面に映ったゴースト周辺の狭いマップを見ながらパックマンを捕まえるべく迷宮を走り回る。
・前ラウンドの勝者が次ラウンドのパックマン役となり、最終的に特典を一番稼いだプレイヤーが優勝。

ルールも操作も超簡単。

ゴーストの方がパックマンより足が速いので、事前と逃げテクニックが生まれていく。
当然パワーエサもあるので、パワーエサに届くギリギリの距離でゴーストを誘って追いつかれる直前にパワーアップして反転、即座にゴーストをリスポーン送り——なんていう作戦もあり。
他にも、ひたすら角を曲がってゴーストを剥がす、マップの反対側に抜けたと見せかけて即座に戻ってゴーストの背後に抜ける、挟み撃ちが回避不能の場合は得点を持ってない方のプレイヤーに喰われる。色々なテクニックがあった。
ゴースト側も、あえて捨てドットと死守ドットを分けて三人で協力して鉄壁の布陣…と見せかけて抜け駆け、といった局面も多々あり。
ローカルで様々なテクニックが生まれて失伝していったことは想像に難くない。

そしてパックマンvs.で唯一無二の個性は非対称性ではなく、GBAが実質的にトロフィーになっていることだった。
ゴーストプレイヤーがパックマンを捕食すると次ラウンドは自分がパックマンに交代する。したがってGBAとコントローラーも交換される。
コントローラーを押し付けてGBAを「オラ渡せ」と奪い取る快感。
この物理的快感はネットワーク対戦では絶対に味わうことはできない。
宮本茂さんのことだから、ただ「マルチプレイだから面白い、非対称対戦ゲームだから面白い」で思考停止せずに、そこまでゲームの面白さを計算していたのは間違いない。

欠点といえばケーブルが絡まって大変なことくらいである。
ウェーブバード3台完備はさすがに無理。

ちなみにそんなパックマンvs.を、実は最新ハードのスイッチで遊ぶことができる。
なんと『ナムコミュージアム』にゲストタイトルとして収録されている。

スイッチを2台用意して2台目をGBA代わりとして使用するので微妙にハードルは高いが、ホスト側のスイッチにナムコミュージアムがあれば、2台目にはクライアント用ソフトを無料でDLできる。
スイッチが2台あればジョイコンもまず4つあるのでコントローラーも足りている。
おまけに激しくパックマン役を奪い合ってもケーブルが絡まることがない
友人とスイッチを持ち寄って是非プレイしてみてほしい。

ここまで読んだ人は察しているだろうが、これは『PACK-MAN GEO』の発表にかこつけてパックマンvs.の思い出を語りたいだけのエントリーである。
パックマンというIPの適性ついての考察とかは特にない。
万が一なにか期待していた人がいたら申し訳ない。

でも『テトリス99』のようなタイトルが成功しているのを見ると、「無数のゴーストから逃げ惑う『パックマンbr.』みたいなゲームがあってもいいんじゃないの?」と思ってしまうのだ。 ■

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