独学研究のススメ(何を知りたいのか考える)

かの哲学者・ソクラテスの言葉に「無知の知」という言葉があります。高校で倫理をとっていたり、大学で哲学や文学を学んだ人にはおなじみでしょう。
 
当時、やたら賢人ぶっている連中をソクラテスは批判し、「無知の知を知れ」と叫びました。「無知を知れ」といいますが、裏を返せば「如何に自分が物を知らないかを知れ」「知らないことを知らないことを知る」という事でしょうか。
 
それはさておき、独学研究を手がける前に、「本当に知りたいことは何か」という事を考えてみましょう。
 
すごく嫌味な言い方をしますが、独学研究始める前の智識などたかが知れています。「○○は知っている」というが果たしてどうでしょうか。それは上辺だけなのかもしれません。
 
上辺だけを知っていることは何も悪いことではないですが、独学研究は上辺の事を多く知るという事ではありません。世間にある言葉を借りれば「狭く深く」を目的とします。

そんなに上辺だけの知識を身に付けたければ、マウントとる為だけに難しい言葉や概念を知りたければ、youtubeの解説動画やファスト動画、入門書でも見ていればよろしいのです。
 
しかし、ファスト動画だけで身につけた知識など、あってないようなものです。にわか作りで良い、いま流行の話題のみを知りたいというのならば構いませんが、これで一角の知識を得たと思ったら大間違いです。
 
今、SNSとかで専門家にダルがらみをしている意識高い系や陰謀論者がいますが、大体この手の連中は「狭くて浅い」くせに、自分がすべてを知った気になっている――その優越感で喧嘩を吹っ掛けている事が多いです。

専門家に勝てるはずもないのに、兎に角言葉や詭弁を繰り返して、我田引水を仕向けるそれを見るにつけ、ソクラテスが当時の「知らぬものは何もない」と豪語する賢人賢者を「無知の知を知れ」と嘲笑った気持ちがわかるような気がします。
 
少し話がそれましたが、「本当に知りたいことは何か」を見定めることは大切です。これは研究の源流であり、農作業で言えば畑に種をまく選別作業、魚釣りならば釣場を決める処にあたります。
 
この作業こそが、独学研究を続けていけるかどうかの肝になって来るのではないか、と思います。

トマトが食べたいからとて冬にタネをまけばそれは絶対に成功しませんし、川の浅瀬で釣り糸をたらしても、マグロは絶対にとれないように、「自分は何を知りたいのか、そしてそれを知るにはどうすればいいか」という事を細かく細かく突き詰めていく事です。
 
ここで大切なのは、初めはなるたけ領域を狭く狭くすることです。

「日本の歴史を全て網羅したい」「西洋哲学の根本を見定めたい」なるほど志は立派ですが、残念ながらそれは最終目標に近く、現実的ではありません。

今日から走り込みをはじめる人がいきなり「一年以内に国際マラソンで入賞」というレベルの無謀な話です。相当な天才ならできるかもしれませんが、普通は無理です。
 
志や目標を大きくし過ぎると絶対に挫折するので、小さな目標をコツコツと積み上げていくことが大切です。

積み上げていくうちに徐々に世界が開けて来て「全てを知りたい」「根本を見定めたい」といった超人の領域もムリではない話になったりするのです。

では、「領域を狭くする」にはどうすればいいでしょう。

簡単に出来るのは、以下の三つ。

・自分が本当に好きな範囲から探す。
・Wikipediaや一般書籍の記載だけでは解決できない程度の負荷と調べごたえがある。
・どんなにくだらない事でもいい。興味本位がある事を設定する。

この三つを軸にしていけば、研究は意外に続くものです。その一つ一つを次回より説明してみましょう。


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