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弁護士の独立、事務局どうする?ワンオペの方がよい? #024

先日、Xにて、法律事務所の中には事務員さんがいないところが結構あるのでは、というポストを見かけました。

私の所属単位会でも、事務員さんがいない、という事務所が結構あります。ベテランの弁護士でもそれなりにあります。

私は独立当初から正社員(法人じゃないので、正しくは社員じゃないけど)を雇用し、今の事務は正社員1、パート1体制です。

そんな私が事務員さんにお願いしている業務と、事務員さんがいて良かったことを書きます。


私が事務員さんにお願いしている業務

私が事務員さんにお願いしている仕事は、めちゃくちゃ多いです。

・書面郵送、FAX送付などの最終工程(送付状の作成、印紙や切手の準備など)
・定型化可能な書面の作成(e.g. 裁判所の事務連絡、各種目録、後見や相続財産人の定期報告の叩き台)
・電話対応
・備品の購入(e.g. 文房具、コピー用紙、レターパックライト)
・相談者や依頼者のリスト作成(利益相反チェック用)
・書類のスキャンやファイリング
・役所関係からの書類取得(戸籍とか)
・郵便物の仕分け
・請求書や領収書の発行
・口座振替(預かり金口座→報酬口座など)や各種支払
・経費入力

などなど。他にも細々したことをたくさんお願いしています。

事務員さんがいてよかったこと

①勤務時間の短縮

上記の仕事は、全部、自分でやろうと思えばできます。が、めちゃくちゃ時間がかかります。

しかも、裁判所とか役所が関係する用事は営業時間内に対応しなければならないので、必然的に昼間の時間帯が結構つぶれます。

ということで、ワンオペ事務所の場合、かなり案件数を絞って効率的に仕事を回さない限り、夜間や土日にもかなり仕事をしないといけない状態になるはずです。

いくらでも働けるよ、っていう状況ならそれでも良いのかもしれませんが、現状、私は家族がいて夜間土日の仕事ができない状況なので、事務員さん無しでは仕事が回りません。

②ミス防止

例えば、裁判所に準備書面をFAXで送るときの工程は以下のような流れです。

書面の案をドラフト

依頼者によるチェック

書面をファイナライズ

誤字脱字チェック

送付状作成

送付状と準備書面、証拠説明書、証拠をデータ統合

裁判所と相手方代理人にFAX

提出した書面をデータ保管

ファイリング

このうち、誤字脱字チェック以降の工程は、事務員さんにお願いしています。

私はミスの多い人間なので、自分じゃ何回チェックしても気付けない誤字脱字に気づいてもらえたり、ミスの起こりうるFAXの送信作業を自分でやらなくて良いのは、大変ありがたいです。

③頭を使う仕事に集中できる

がんばって起案しても、そっから事務作業が待ってると思うと結構つらいものがあります。しかし、起案さえ終わればあとはお任せ!ができるなら、起案の中身に集中することができます。

顧問先への対応や法律相談もそう。請求書の送付やお金の管理といった事務的なことを任せられるからこそ、リサーチやアドバイスの中身の充実化に力を入れることができます。

弁護士の仕事は、法律の解釈はもちろん、問題解決のための道筋作り、など頭を使う仕事が多いです。それ以外を事務員さんが引き受けてくだされば気力も知力も温存できます。

おわりに

独立直後に時間に余裕があるうちは、ワンオペでもできないことはないです。最近は、電話代行やオンライン秘書さん、文書チェックの外部サービスも充実してますので、それらを組み合わせれば法律事務所における事務の負担はかなり軽くなるはずです。

人件費が重たいことは間違いないですし、良い事務員さんに出会えるかは運もあるので、一概に「いたほうが絶対いい」ということではありません。

それでも、私の状況では、事務員さんがいないと仕事が回りません。今回改めて事務員さんの仕事を洗い出してみて、本当にたくさんのことをお願いしていることがわかりました。明日からこれを全部1人でやれと言ったら廃業した方がマシというレベルで無理です。

ということで、これからも、事務局を維持できるくらいの収益を維持できるくらいにはがんばります!

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