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エブリシングジャストエグジスト

朝メシにスムージーを作って、妻のご機嫌を伺うとバリ元気なのでキノコ狩りに行こうということに。

バスを降りたら教会があって、そこにある電話ボックスがまた不思議なことになっていたので紹介しよう。

なんでAEDみたいな電気バチバチするやつがあるのかたずねると、老人が多いからというシンプルで明快な答えが帰ってくる。

そして娯楽といえばミステリー小説、田舎はどこでもこんな感じなのだ。

そこから5分くらいはかわいらしい住宅地が続いて、更に20分ほど急勾配を登って行くと本日のキノコ会場もといButts Browの入り口に到着。

駐車場では子連れや犬連れのファミリーたちが元気にお散歩をスタートさせてる。

我々はもうすでに息が上がっているものの、負けじと歩き続けるといきなりステーキが待ち受ける。

このかわいさにうっとりしたら少し先にベンチがあって、そこで持ってきたラップとクラッカーを食べる。

そこでピークエクスペリエンスの話とかしてタバコを吸っていると、カラスたちが我々のクッキーを狙い出したので先を目指すことに。

どこまでも続く草原と青い空はWindowsのホーム画面のようで、寒くなり出したばかりの空気は皮膚からも体内に沁み渡るようだった。

しばらく進むと羊の群れがいて、地面は彼らの糞まみれで少し湿り気がある。

その辺りから自然の一部に成り切ろうと虫や草木や犬をまじまじと見つめながら、ゆっくり歩いてるとまだまだ小さなキノコを発見し、すぐに食べてまた探す。

こうした作業こそ人間を幸せにするらしくて、その場にいる大人は皆子供のように自然と一体になって遊んでいるようだった。

今こそがピークエクスペリエンスではなかろうかと思いながら、キノコの優しさに感動して目がうるうるしてくる。

すぐそこの牛や羊の群れたちはただひたすら食べて、疲れたら寝ての繰り返し。

ただその場にいて人間に飼われていてそれは幸せなのだろうかと問われた時に、それこそが人間のエゴなのではととっさに答えてしまった。

幸せとか彼らは考えないで生きてるはず、人間は子賢いせいで求めてしまう。

全てはただ存在していて、あるがままで良かったはずだし、元々は日常の繰り返しだからこそ、ふと幸せな瞬間がやってきて感謝できるのではと思ったのだ。

そんな話をしながら草原を抜けるとパブがあって、地元のビールや自家製シロップのカクテルなんかが楽しめる。

私の幸せはビールの泡と共に腹の中に。

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