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変化し続ける心と体を観察するということ

秋分の日。季節を分ける節目の日の、奈良のお天気は空が高く、時より吹く風はひんやりと肌を抜け心地の良い秋晴れの1日でした。

秋分の日の朝早く、外は霧がかかっていて、昇ってくる太陽の光と水蒸気の反射がとても美しく幻想的な時間を魅せてくれました。

そこに咲く彼岸花がなんとも美しく健気で、この彼岸花の神秘性に惹きつけられた朝でした。彼岸花って何故、彼岸の時期になるとちゃんと花を咲かせるのでしょう?いつも不思議でなりません。画像1


どんなに異常気象と呼ばれていても、毎年同じ時期に満開に花を咲かす、この自然界のサイクルには圧倒させられます。

今年は、真夏に異例の長雨で、記録的な雨量を観測した地域も多いし、日照率や土の芳醇さも、もしかしたら、例年よりズレることもあるだろうに。

人間だけが異常と思っているのか?と考えてしまうくらい。。この彼岸花たちはどんなに外側の環境が変化しても、自然界では絶妙なバランスを保たれていて、適宜器用に順応し存在しているのかなぁと思います。

人間だけが「不快」と感じたら、原因に目を向けず排除しようとするのかも知れません。

アーユルヴェーダでは、変化には必ず「原因」があり、その小さな積み重ねが大きな変化に繋がり、いい意味でも悪い意味でも実りとなるとされます。

気にしていなければ、変化がないように見える土の保水率も毎日観察していれば、乾燥していて葉っぱが萎れていることもあるように、毎日目を向けてやれば変化に気づくことができ枯れてしまう前に対処することができる。

植物が環境の変化によってその姿を変えるのと同じように、私たちの心と体の健康もまた、住んでいる場所や仕事などの環境、食べたり飲んだりしているもの、話すこと、耳にする音、触れるもの、目にするもの、寝る時間や起きる時間に及ぶまで、一つ一つの選択の積み重ねで今存在しています。

全て自分が選んできたことが、今結果としてここに現れているのです。

同じ状況は何一つなく、日によって、時間帯によって、環境や季節、年齢によって変化し続ける心と体を観察し続けることからアーユルヴェーダの実践は始まります。

アーユルヴェーダの古典書より

「人は、正しい方法によって毎日を過ごせば、一生を健康に過ごすことができる。1日の過ごし方、季節に応じた過ごし方等、これが人として常に健康を保つ方法であり、他にはいかなる方法もない」

実は、アーユルヴェーダにおける一番のお薬は「ライフスタイル」です。

どんなに体に良いとされる食事をとっても、
どんなに体に良いとされる運動をしても、
どんなに効くとされる薬やサプリメントをとっても

結局、ライフスタイル=生活習慣 が乱れていたら何の効果もありません。

「早寝早起き」が体に良いと分かっていても、「できない!」と嘆く人もいるでしょう。では、「できない」と決めているのは誰なのか、できるよう生活習慣をリスケジュールしようとしないのは、誰で、何故なのか。

「変えようとしない」を選択しているのも今の自分なのかも知れません。

人間も自然の一部であり、この絶妙なバランスを形成している大切な構成員なので、自然に触れること、自然のリズムに寄り添うことが人間の本来のバランスを保つことの役立ちます。

古来から続くアーユルヴェーダは、理論的で、かつ多くの臨床試験が行われ確信を持って良いとされるものばかりが伝承されています。

誰もが平等に受けられる生活に根付いた治療法でもあり健康法です。自然のリズムに寄り添うように、心と体の揺らぎを客観的に見つめ、時には慰め、認め合いながら自分自身との会話を繰り返していく、生活に根付いた知恵です。

そんな毎日の知恵を少しずつ記録していきたいと思います。