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アートを楽しむ為に必要なのは自分事化

こんにちは。
「歩くと夏だね」と言おうとして、「夏くと歩いね(なつくとあるいね)」という名言をリアルに発した館長です。

今日は「アートを面白くするのに必要なのは自分事化」という内容でお話しできればと思います。
結論は前回の「アートに正解はない」という点に落ち着かせようと思います。あなたのアート鑑賞の参考になれば幸いです。

アートって多義的

まず前提として「アート」という言葉はかなり抽象的で多義的ですよね。物体としての絵もアートだし、デジタル作品もアート、料理もアートだし、言葉もアート、文章も、音楽も、空間だって、時間だってアートになりえる。そうもめちゃめちゃに便利な言葉です。
ただここでは話をわかりやすくしたいので、「アート=美術館で並ぶ絵」で進めさせてください(かなり無理矢理でごめんね)。

最大の自分事化は自分の作品

ここ最近アートを勉強した館長の思うアートの楽しむ方法、それはいかに「目の前のアートを自分事にできるか」ということ。
自分事にすると言ってもそのレベル感や方法はたくさんあると思います。順番に見ていきましょう。

まず最も自分事なのは「①自分自身のアート作品」。表現者そのものになることですね。作成した動機や、作成中の気持ち、作った環境や時間に想いが乗るので、最も愛着が湧きやすい。作品に込められたものが誰よりも分かる為、誰よりも想いがそこには入る。

絵に限らず、自分自身の表現や行動に興味が全くなるという事はないでしょう。まぁ自分のことなので、興味が出るのは当たり前ですね。

次に「②具体的に自分に関係のあるアート作品」。
作品の中に少しでも自分の要素や気持ち、アイデアが入っていればそれは他の作品とは違って見えます。大多数に向けて描かれた作品ではなく、対自分に向けて描かれた唯一無二の作品(似顔絵や肖像画)とか。それ以外にも自分が作成の段階に携わっている、自分の体験を下に作られた作品なんかは面白いと感じると思います。作者の顔や製作様子が思い浮かぶ作品ですね。

さてここまでの①、②は簡単に言えば、そのアート作品の関係者。自分事にするというよりもそのまま自分事ですね。結局、自分に関係あることに人は関心が向くということ。

美術館に並ぶアートは基本的に他人事

でも残念なことに美術館に行って自分の作品が並んでいる、自分の関わった作品が並んでいるという事は一般人にとってはまずないわけです。良くわからない時代の、よくわからない人が、よくわからない技法で、よくわからない気持ちの元に描いた作品が並んでいる。ここで終わらせるとアート鑑賞はちっとも面白くないわけです。ここで重要なのはそのような関係ないと思われる作品をいかに自分事にしていくか。

自分事化=共通点を見つける

その為具体的な方法として「③自分との共通点を見つけていく」ということが挙げられます。
では皆さんご存じの「ムンクの叫び」の絵で具体的に考えてみましょう。


本来ものすごく深い作品なのでいろんな解説やそれに基づく解釈があると思いますが、一旦それらはここでは考慮しません。
むしろそれらの解釈に縛られすぎて思考を止めちゃうと、その思考に行きつかない自分、理解できない自分が嫌でアート鑑賞が苦行になります。。(館長の経験による)

ではフラットに見て、この作品に自分との共通点を見つけてみましょう。
以下、館長の見方です。
うわー、男性が橋の上で絶望してるなー
しかし、こんなに橋の上で絶望する経験なんてあるかな。
まぁでも以前に橋の上から帽子を落としてショックだったことあるなー
川にモノを落としちゃったらまず戻ってこないもんな。この川流れが凄そうだし。。
この人も大切なものを落としたんだろうか。
確かに思い返せばドラマとかでも悲しいシーンは橋の上から川を見下ろしてるよな。指輪とか大切な想い出を投げたりするシーンにも使われてる。そういう感覚って昔からあったのかな。
今度橋を通るときに思い出して、もう一度この感覚を味わってみるか。

みたいなことを妄想して、強引に自分事にするわけです。
この時のポイントは「正解の解釈を気にしないこと」。
有名すぎる作品や壮大すぎる作品を目の前にすると、思考停止に陥りがちです。もう既に完成されていて、ちゃんとした解釈もあって、自分の入る余地はないと思ってしまうんです。アートとしての答えが出ていると考える。そうするともう共通点なんて探そうとは思わない。そこで他人事になってしまい、アート鑑賞が終わってしまうんですね。

でもそこで止まらずにアートを観て思ったことを自分の経験に結び付けることが大切です。
正直、館長の先ほどの例もなかなかに無茶苦茶です。多分、そんな解釈を求められていない。(気になる人は色んな解釈を調べてみてください)

でもいいと思うんです。頭の中で考えていることは誰に見られるわけでもないのでどんどん妄想を膨らませましょう。どれだけ壮大な絵だろうと、自分の身の回りの小さな経験をセットで考えることで、アートと自分に関係性を作りましょう。「ムンクの叫び」を自分事にしましょう。

ここで気づくのは自分事化する過程で、その原経験や考え方は人の数だけあるので、同じ解釈はないという事です。
仮に同じような解釈の結論になっても、頭の中で想像するシーンの時間軸やその時の感情、景色、色合い、におい、登場人物等は考える人によってそれぞれ。すべての解釈が同じになることはないんですね。
また年齢を重ねると、その分経験も重ねるので、アートへの解釈も変わってくると思うんです。同じ人でもアートに出会うタイミングによって、解釈は変わるんです。館長も1年後にもう一度ムンクの叫びを観たら解釈が変わっていると思います。(この一年間の間に川に何か落とすかもしれない)

という事で、やはり「アートに正解はない」。
だって解釈する人がそれぞれ違うのだから。

まとめると、アートを楽しむためには自分事化が重要。
それは「自分の作品→自分の関係する作品→共通点のある作品」の順で並ぶ。
目の前の作品をいかに自分事に感じるか。それがアートを楽しむ方法だと思います。
・・・・たぶん。(すべて館長の感想です)

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