アニメーターの課題集㉒束で考える~なびき、髪ゆれ
引き続き課題のまとめをやっていきます。
今回は、髪ゆれ。
みなさんも、ぜひ、好きなキャラクターの髪がなびいているアニメーションをつくってみてください!
自身は、振り向きの時に、キャラのせさせてもらった はたらく細胞の白血球の帽子をとって、髪を動かすことにしました。
作っていて疑問だったのが、髪の根本はどこ?髪はどこから動かせばいいの?ということでした。みなさんはどう思いますか?
①髪はシルエット重視
疑問点の回答ですが、髪は根本から動かすことを考えるよりも、シルエットを重視した方が良いということでした。
そもそも髪は重なって重みもあるので、動くとしても根本より少し手前から動くはず。なので、実際の髪の根本を意識してかくことは少ないとのことでした。でも根本から動かないにしても、髪をどこから動かすのは決めた方がいいです。加えて、髪が動いたときのシルエットを意識する。
よく、かいているうちに、だんだん髪が長くなっちゃったということはないでしょうか? どこから動かすか決めると、髪の長さがのびたり、縮んだりすることなく、一定の髪の長さを決めてかきやすくなります。
②髪ゆれはブロックでわけて考える
髪の束の基本の動きは下のような感じのリピートになります。
ですが、上の髪の束の動きを、髪全体で同じリズムで動かすと、カツラみたいになります。頭と髪が分離しているような感じ。とても変な感じです。
そうならないために、髪をブロックごとに分けて、ブロックごとでタイミングをずらします。
たとえば、下のような感じになびき開始の状態をずらします。番号は、上のなびきの数字にあたります。
別のパターンとしては、斜め前から風が吹いてきた時、一番はじめに風があたる部分を1にします。そこから1つずつ前の状態になっていると考え、番号をずらしていき、そのタイミングをもとに髪ゆれを作ることもあるとのことです。
③より変化をつけるには?
基本は1~4のパターンですが、少し変化をつければ、よるランダムに見えます。
たとえば、途中で枝分かれさせる。
他には、髪のなびき方に強弱をつける。1~4はなびき方が少なく、5~8はなびき方が大きめなど。
髪の束の中に違うパターンで風になびく髪をつくる、などです。
④髪の長さ、分量は変えない
前文に髪の長さを変えないという話がありましたが、分量も変わらないようにします。たとえば髪がなびいて、1つの束が、2つの束に別れたとき、2つの束を足し合わせると1つの束の分量になるようにかきます。
当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、かいている内に、枝毛が他の束と合流したのに、分量が増えていなかったり、いつの間にか分量が減っていたりすることがあります。なのでここも気をつけたいポイント。
⑤髪がゆれたら、顔が見え隠れするので、別セルで顔をかくの?問題
作っていて思ったのが、髪がゆれたら、下の地肌など、見え隠れする部分もあるけど、顔は別セルでかくの?という疑問でした。
実際には、合成という方法をとるとのこと。
つまり、やはり顔と髪は別セルでかいておくということでした。
顔は、坊主の状態で生え際がどこか記載しておき、髪は別セルでつくります。今回の場合、顔が動かないので、顔1枚、髪ゆれ8枚で作ることができます。たまに原画集で髪がなかったり、顔がなくて髪だけの絵がありますが、そういうことだったんですね。
一方、走りや歩きなどでも髪はゆれますが、その場合は、からだも動いているので、からだも中割が必要です。これを別セルにしてしまうとからだ8枚、髪ゆれ8枚になってしまうので、合計16枚。一方、髪とからだを同じセルにかけば8枚ですむので、顔やからだが動く場合は別セルになりません。
⑥長い髪の場合のゆれ
長い髪の場合は、波を送るような感じの動きになります。
★添削前と添削後の比較
特に、添削で、前髪のなびき、不自然にみえる枝毛、頭蓋骨の大きさを修正しました。
次は、最後の課題、ウインクの動作です。
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