アニメーターの課題集⑩落ちてはずむボール
引き続き課題のまとめをやっていきます。
今回は落ちてはずむボールの課題です。
①【課題の問題内容】みなさんもぜひやってみてください!
今回は、アニメーターの課題集の次の章に進む前に、
今までのまとめとして、ボールの動きを考えてみることにします。
【課題】Aのボールが台から落下して、Bへ転がる時、どんな動きになるでしょうか?ボールの違いを考えて動きを完成させよう。
条件① スーパーボールの場合
条件② ゴルフボールの場合
条件③ 自分のオリジナルで。
②【自身の回答と考えたこと】
【考えたり、調べたこと】
本でボールの跳ね返りを勉強して、考えるべきことを列挙してみました。
①タイミング(何秒使うか)
②スペーシング(絵と絵の間をどれ位あけるか)
③アーク(軌道)
④スローイン、スローアウト(動き出し、止まりはゆっくり)
⑤ストレッチ、スクウォッシュ(ボールがのびたり、つぶれたりする)
●ボールはなぜ弾むの?
床にぶつかったときの運動エネルギーでボールが変形した後、すぐに元に戻るので、床を押して跳ね返るから。
反発係数という、物体が衝突したときにどれくらいの速度になるか、という係数がありますが、その係数が高い方が跳ねます。スーパーボールは0.8-0.9、ゴルフボールはいろんな係数のものがありますがスーパーボールよりは低い数値みたいです。
【回答】
●スーパーボールの場合
・床にぶつかったときに少しだけへこむ。
・6割くらいの高さで跳ね返るイメージ
●ゴルフボールの場合
・スーパーボールよりもはずまない。4割くらいの高さで跳ね返る。
●紙風船(自分のオリジナル)
前2つと全く感じが違うボールとして、紙風船の動きを作ってみようと思いました。
・Bに落ちるように叩いたとする。空気抵抗があってゆっくり落ちる?
③【添削内容】
スーパーボールの場合
はじめ、ボールが床につくまでに0.5秒かかると考えて作っていました。
0.5秒ぐらいだと、Aの床との距離は1mくらいになるな、と。
ですが、これは大きな間違い!!
スーパーボールやゴルフボール、大きさは5㎝くらいなので、その高さはボール10個分ほどで50㎝!!
なぜ、1mだとはじめに思い込んでしまったのか…
ものが画面上にある場合は、そのものの大きさを基準に測る癖をつけた方がいいです。
明らかにおかしい点がもう一つ。
動き出し部分、ボールの配置が下のようになっているため、軌道をそのまま結ぶと、台がえぐれていることになってしまいます。
なので、少しボールの位置をずらし、落ちる寸前の絵(どこから落ち始めるのか=動きが変わる部分を明確にする)にしてあげることで、台の上から落ちている感じを表現します。
質量が変わらないように、スクウォッシュさせます。かたちも楕円というよりは、少しへこみなどを入れた方が場合によっては感じが出るかもしれません。他のボールについても同じです。かたちが変わっても質量は変わらない。
ボールの山の軌道が直線的すぎる。もっと山なりになるはず、とのことでした。なぜ軌道が直線的になってしまっているのかというと、頂点とそのひとつ前のボールの高さの差がありすぎるからです。
頂点の前後のボールの位置をずらして、山なりになるようにします。
ボールが落ちていくとき、地面とのスペーシングも考えて、ボールを配置します。
下のように、跳ねる高さが低くなってきた時は、上に向かう力より前に進む力が少し強いと考えて、若干、ボールを左にずらすのも良いかもしれないとのことでした。
その他に、ボールが落ちるときの方が、ボールが上に弾んでいるときより加速がつく(絵が少なくてもよい)、などいろいろ考えて、微調整していきます。
さらに、跳ねる高さが低くなるほど、縦方向のツメはなくなってきます。
わたしは、横軸(前に進む)の間隔ばかりを考えていたのですが、もっと物理現象を鑑み、ボール同士の間隔を考えないといけないんだなと気づきました。
【添削内容】ゴルフボール
ほとんど、スーパーボールと修正点はかぶっていますが、加えてゴルフボールとスーパーボールを描き分けると考えた場合、その違いをあまり出せていないのでは、というご指摘でした。
スーパーボールとゴルフボールとの違いは、ゴルフボールの方が重さがあり、あまり弾まないということです。
重さがあるということは、スーパーボールよりも、より直線的に落下し、弾んだ時の滞空時間が短くなります。
【添削内容】紙風船
・最後落ちるところに、空気抵抗、紙風船らしさを出すために、もう少し絵を入れても良いのでは、ということ。
・あと、4コマ打ちは止まった絵の連続と見えてしまうため、あんまり商業アニメでは使われない。紙風船や、柔らかい動き、繊細な動きを出すときは、むしろ2コマ打ちを使ってみると良いということでした。
④添削内容に基づくアニメーション
●スーパーボール
スーパーボールらしく、より弾ませました。
●ゴルフボール
滞空時間を短くし、よりストンと落ちる感じにしてみました。
●紙風船
落ちる部分、4コマ打ちと2コマ打ちと比較したくて両方作ってみました。
(落ちる部分4コマ打ち)
(落ちる部分2コマ打ち)
今回は使う場面はなかったのですが、ボールとボールの間が空きすぎてしまうと、瞬間移動に見えてしまうので、そういう場合(絵と絵の間が空きすぎてしまう場合)は、その間に1コマ打ちで絵をプラスしたりするのも手とのことです。
動くものが増えれば増えるほど、気をつける点が増え、文章量が多くなっていて、果たしてうまくことばで説明することができているのか、若干の不安がありますが、
引き続き復習していきます。
(追記)
ボールと同じ要領でスライムがジャンプする動画を作ってみました。
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