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アニメーターの課題集⑭ボールを投げる

引き続き課題のまとめをやっていきます。
今回はボールを投げる動きを考える課題です。

①【課題の問題内容】みなさんもぜひやってみてください!


アニメーターの課題集ー動きの法則を理解するための第一歩ー 著作・監修 一般社団法人日本動画協会 人財育成委員会 より

②【自身の回答と考えたこと】


今回も自分で動きをやってみて、それをビデオで撮って、作ってみました。

はじめに自分で作ってみた回答【Before】

作ってみて感じた最大の疑問は、
「なぜ球に力がのっているように、見えないのか?」

③【添削内容に基づく解決策2つ】

どうすれば球に力がのっているように見えるでしょうか?
どこを変えてみるといいのでしょうか?

解決策1:移動幅を変えてみる(スペーシング)


ボールを投げる動きをかくとき、どこのタイミングで絵をおけばいいのか迷う人もいるのではないでしょうか?

今回注目するのは頭の位置です。なぜなら、投げる時、頭の位置が一番動くので。
下は添削前の自身の回答です。投げている時の頭の位置をみてみましょう。4,5,6,7をみてみると、5,6の頭の位置が非常に近くなってしまっています。3コマ打ちで作っていたので、5と6が近いということは、その間で減速してしまっているということ。これがスピードが出ていない感じにつながっている理由のひとつです。

添削前

そこで、下のように修正すると良いとアドバイスをいただきました。
5と6の位置をもっと離す。さらに、4と5の間は3コマ打ちにしましたが、5-6-7の間は、さらに加速しているところということで2コマ打ちにしました。

添削後

解決策2:リーディングエッジがわかるようなポーズに落とし込む

リーディングエッジとは、動きを先導する体の部位の先端のことです。
これをもっとわかりやすくポーズとして表現すると良いということ。

たとえば、5のポーズをみてみましょう。

添削後では、より背中をそらせることで、胸をよりはったかたちにしました。胸がリーディングエッジになっていることがより明確です。これでより力をためていることが添削前より伝わると思います。

6のポーズでも同じです。こちらの方がもっと違いがわかりやすいと思います。

この場合のリーディングエッジは胸。

ではなぜ、はじめ自分で回答を作ったとき、添削後のようなポーズを自身はかけなかったのでしょうか?

その理由は、自分がやってみた動きをビデオで撮って、それを特に理屈なく、絵にして動きを作っていたからだと思います。

土台として、自分がやってみたリアルな動きをもとに作るのはいいですが、プラスしてアニメっぽい、誇張をする(=動きを感じさせるリーディングエッジがある絵にする)ことが重要とのことです。

実際の動きをそのまま絵に落とし込むロトスコープという手法もありますが、そのまんま動きを絵にするとどこか逆に不自然に見えるということで、どうしたら、よりらしく見えるか、というところを考える必要があるということでした。

その他の気づき:動いてみえるような位置に絵をいれる。


次は投げる前の手の向きに注目してみます。
自分で作ってみたものは、投げる前に上腕について同じかたちで180度向きが変わるところがあります。1と2のところ。こういうところが機械っぽく、かたくみえることにつながります。

添削前

そこで添削時には、1と3の中割のようなかたちで2の右上腕を作るかたちになりました。(赤)2の特に右上腕部分が変更点です。こういうところで、やわらかさが出るということ。なるほど。

添削後

上を踏まえての、添削後のアニメーションが下です。

作っていると気になってきて、もう少しこう直したら気持ちいい動きになるかな…と考えて、上以外にも、自分で中割の位置、枚数やタイミングなど、いろいろ直しています。

⑤引き続き注意するべきこと

注意1:大きさ!かたち!きどう!


アニメーションでよく言われるのは、上の3つ。

特になかなか直せないのが、パーツごとの大きさとかたち。上半身の大きさが変わってしまっているということで、大きさの整合性が重要。なぜ上半身の大きさが変わっているかというと、腰のラインが絵ごとに変わってしまっているからでした。

手の長さ、手自体の大きさ、帽子の丸さ加減も同様です。手はボールをつかむ時にボールつかむんだ…‼と思って、つかむ絵だけ、手が大きくなってしまっていました…。

以前から大きさの注意は受けているものの、なかなかなおらない…。
「なれてくれば、気づけるんですけどねー、商業アニメとしては大きさ、かたちがそろっていることが大切なんですよ。」と初回提出時にも、再提出時にも言われてしまいました…

他にも重なり方もそろえる。例えばくつとズボンの重なり方で、ズボンがくつよりも上にかぶっているのであれば、すべての絵でそのようにそろえるなど。すべての絵で、そではうでよりも重なるようにかくなど。最終的にはそういう細かいところも気にする必要があります。

注意2:人体として不自然なポーズをなくす。


これはイラストでもいえることなのかなと思います。
頭、首、肩のつながりが曖昧だったり、耳の位置がおかしかったり。

さらに、窮屈なポーズになっていることに気づけるか。
たとえば、ボールを拾うときに、片手を前に伸ばしているなら、もう一方の手は後ろに引けているはず。そのあたりのバランスも重要です。

今回は以上になります。次はハンマーの課題です。
6月中にできる限り復習をしてしまいたいです。ですが、復習のために、再度自分がかいたものをすべて確認して描きなおしていると、たくさん直したいところが見えてきて、ひとつ作るのに時間を要しています…。ポイントだけでもまとめてスピード重視で投稿していこうかな…

もうしばらくお付き合いください!!

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