見出し画像

アニメーターの課題集㉑~大きさ、かたち、軌道~振り向き

引き続き課題のまとめをやっていきます。
今回は振り向きの課題です。振り向きが入っている絵コンテを踏まえて、動きを作ってみるという内容でした。

演技の内容としては、
「しゃがんで作業をしている人が、後ろの遠くの方から声をかけられ、振り向いて、声をかけてきた相手をよくみるために目を細める」 
といったものです。 

今回は、その演技にはたらく細胞 の 白血球をキャラのせしてみました。

添削前 Before

①添削内容(絵コンテからどうかくか)

全体のカットの時間と動作をまず考える


今回、複数の演技が入っているので、どういう順番で作っていくか、迷い、時間がかかりました。こういう時は、全体のカットの時間の確認と、動作(芝居)をひとつずつ分けてみます。全部を一度に考えると大変ですが、動きを分解するとわかりやすくなります。

具体的には、声かけに気づく→目線を送る→首から振り向いていく→胴をひねる→(重心移動、足移動)→目を細める(目だけでなく、同時に体をかがめたり、もしくは乗り出すような動作) というようなものが必要になります。振り向きの動作の中にもいろいろな動作が入っているんですね。

動作にあわせて、原画をかきます。原画を決めた後に、全体のカットの時間に対して、それぞれの動作のタイミングを調整していきます。

気づくのに中割1枚で足りるかな、首の振り向きなら中2枚で足りるかな~、止まる間があってもいいかもしれない、振り向きはゆっくりかかっても1秒くらいかな、最後の尺はあまっても6コマ~12コマだな~みたいな感じでプランを立てます。この動作に中割何枚必要というのは、経験でわかってくるそうです。

今回の動きの原画

★原画と動画の関係

原画をもとに割っていくので、原画がおかしいと、そのあとの動画もおかしくなってしまいます。
今回17枚のうち、6枚が原画で、11枚が動画です。つまり半分以上は動画の絵なので、せっかくいい原画でも、動画がおかしいと微妙な動きになってしまいます。動画も大事。

②添削内容(後ろからの振り向き)

②ー1 フォロースルーをつくることがわかりやすい芝居にもつながる


自身がはじめてかいたものは、首から振り向くときに胴も結構動いてしまっているので、フォロースルーがないということでした。
一気に動いているので、動作も流れてしまって、声かけに気づいている様子とかが、伝わりづらくなっています。
まずは気づく動作、首から、そして重心が変わっていくために、胴体が動きます。

②ー2 鼻のつく位置、耳のつく位置を考える


下の5番と6番だとほとんど頭の向いている方向が変わりません。7番は45度くらい振り向いていますが、頭の側面がまだ占めている状態になります。
そのあたりをうまく表現できるかが、振り向きのポイントになります。
それがわかっていても、なかなかかくのが難しい。

②ー3 振り向きでも大きさ、きどう、かたちに引き続き気をつける!


確認するときに、単に一つの絵をみるだけでなく、軌道をみると位置の間違いに気づきやすくなります。振り向きの時、耳の軌道がスムーズに動いているのか…など。さらにその軌道も、耳、鼻それぞればらばらで見るのではなく、耳と鼻が同じような軌道で動いているはずなので、そうなっているか、など。

添削前 Before 45度の時の顔 
赤線は前後のパーツの軌道ですが、それぞれでなんだかばらばら
添削後 After 45度の時の顔 
赤線は前後のパーツの軌道。そろえました。

中割のときに、あるひとつの絵がゆがむと、さらにその中割の絵もゆがんでくるので、ひとつひとつのかたちを大切にかかなければなりません。今回振り向き45度の絵がずれていたので、他も少しずつずれが生じていました。

今回、頭の大きさも大きくなってしまっていました…鼻のかたち、あごのかたちも…。

その他:肩回りの描き方
今回、振り向きの肩回りをかくのが難しく感じました。襟回りなど。
それぞれのかたちに定型文のような典型的なかたちがあるので、ポーズを描いて覚えるのが良いということです。

③添削前と添削後で比較

比較すると、添削前の方が、振り向いているときに、少しばらばらして見えます。軌道がそろってないからだと思います。

添削前
添削後

次はなびきの課題です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?