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アニメーターの課題集⑬フォロースルーで機械っぽくなくなる~ジャンプの動き

引き続き課題のまとめをやっていきます。
今回はジャンプする動きを考える課題です。

①【課題の問題内容】みなさんもぜひやってみてください!


アニメーターの課題集ー動きの法則を理解するための第一歩ー 著作・監修 一般社団法人日本動画協会 人財育成委員会 より

②添削結果を受けて作った動きとはじめの自分の回答

添削後【After】
添削前の自分の回答【Before】
頭の軌道や足の軌道、動きがゆったりしているのと,
かくついて見えるところもある。フォロースルーもない。

②添削を受けての気づき

気づき1:フォロースルーが大事

動きを作ったときに、なんだか人間じゃなくて機械みたいに動きがぎごちないな…と感じたことはないでしょうか。自身はよくそう感じることがありました。
その原因のひとつはフォロースルーがない ことかもしれません。

フォロースルーがない状態とは、手も足も胴体も一度にすべて同じタイミングで動いている状態です。頭も足も胴体も同じタイミングで動くので、機械みたいな感じになります。

フォロースルーがある場合、たとえば今回は、足よりも胴体が先に動くと考えます。胴体がMAXで左に振れる時、まだ足はのびきりません。足は少し遅れてついてくる感じになります。

一番左に振れてから右にからだが戻ってくるときの絵(フォロースルーを考えた場合)
絵のタイミングは左から1,2,3,4の順です。

これがあると、少し人間らしい感じになります。

気づき2:フォロースルーを考える時はからだのどの部分が先行して動いているのか考える

動きを先導する体の部位の先端をリーディングエッジと呼ぶようです。
フォロースルーを考えて動きを作るとき、このリーディングエッジがどこにあたるかを考えるとやりやすいと思います。

赤い部分がフォロースルーでは動きをリードする部分になってくる
赤い部分がリーディングエッジ

今回のジャンプでは、たとえば下のような感じになるかと思います。
胴体をかくときに、のびている面と、縮んでいる面を作ることでより動きを感じさせることができます。

気づき3:目線も気にする


上をめがけてジャンプするときは、目線は上、
地上におりるときは目線は下です。忘れないようにしたい。

気づき4:ジャンプの軌道はボールの軌道と似ている

ジャンプして下に降りる時も、ボールと同じような軌道を通ります。ボールと同じと考えれば、絵をどこに配置すると良いか決まりやすいです。

気づき5:すべての軌道を確認する


はじめ自分で作った時、足先の軌道ばかりに気をとられて、頭の軌道がばらばらになっていました。確認するときに、ひとつひとつの部位の軌道を確認するようにしたいです。

気づき6:動きの方向が変わる前には、1枚絵(中割)をいれる(スローイン・スローアウト)

スローイン、スローアウト

③、④、⑤は飛ぶために手を振って準備しているところの絵になります。
③、④、⑤それぞれの間には何枚絵(中割)をいれると良いでしょうか?動きのつけ方でもちろん枚数は変わってくると思いますが、1枚だけよりは2枚入れておくと良いです。イメージとしては③、④、⑤の前後に絵(中割)を入れる感じです。
なぜなら、動きの方向が変わっているからです。③はしゃがむ下への力がかかる動作、④は上にのびる動作、⑤はまた下向きに力がかかる動作です。動きの方向が変わるのに、絵(中割)が前後に入っていないと、急に止まったように見えるので、スムーズさが損なわれてしまいます。
私は、こういう動きのとき、③と④の真ん中で中割すればいいのかな…と思って、1枚しか間に絵を入れていなかったのですが、スローイン、スローアウトを考え、両側にツメた絵をいれた方がいいとのことでした。
ブランコの振り子運動の時の動きと同じような考え方ですよね。

最後の手がゆれる動作も同じように両ツメで中割しています。

添削を受けて、ラフをいかに早くかけるかが大切だなとも感じました。動きのベースを作る時はラフでかいていくので、それをたくさんかける人はたくさんの動きの実験ができるとのことになるからです。

気づき7:絵を抜いてみる


自身は動きの方向が変わりそうな絵を全部かいて、アニメーションに含めていました。はじめにたくさん絵をかいてみるのはいいのですが、絵が多いことで、動きがぬるくなることがあります。なので、かいた後に絵を抜いてみて試行錯誤すると良いとのことでした。


同じ課題でもいろんな表現があると思います。
自身が作ったのは、何度か足を振って反動をつけてジャンプしていますが、
もっと簡単にジャンプするような表現やダイナミックな表現もあると思います。一例としてみて頂ければと思います。


次の課題はボールの課題です。



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