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アニメーターの課題集⑲布をどうかくか~タオルをはらう動き

引き続き課題のまとめをやっていきます。
今回は布の動きの課題です。

①【課題の問題内容】みなさんもぜひやってみてください!


アニメーターの課題集ー動きの法則を理解するための第一歩ー 著作・監修 一般社団法人日本動画協会 人財育成委員会 より

※今回はキャラクターや布の持ち方、虫のかたちなど、自分で少し設定を変えて作ってみました。

②【自身の回答と考えたこと】

添削前 Before

今回は、推しが武道館にいってくれたらしぬ の えりぴよをキャラのせしてみました。タオル持っているイメージ?なので。

今回も自分で絵と同じくらいの大きさのタオルをもってタオルを振って、その動きをもとに作ってみました。常に自分でできるものはやってみる。

また以前、布をふる動きを自己流で作ったことがあって、それを復習しつつ作りました。布の動きは空気の動きを考えると指南書にあったと思います。

以前作ったもの
空気のかたまりが通っていくイメージ
空気が通った後は重力に引っ張られる

今回、作ってみての感想は、全体的に人形っぽくなってしまった…というところです。この解決策は一番最後で記述します。

③添削内容を受けての修正アニメーション


添削後

④添削内容に基づく布をかくポイント

布のしわについて、流れはだいたいこんな感じといった風にかいていました。つまり、布に対してあまり考えることなく曖昧にかいていました。スルーしていたし、そこが曖昧な部分になっているとも気づいていなかったです。添削のメリットはそういった気づけないことに気づいて視点が増えることだと思います。いくつか布をかくときのポイントを記載します。

ポイント1:立体を考えて布のしわをいれる

 A-1  添削前 と 添削後

上のように両手で均等な力で持っている場合、しわの頂点は、手のちょうど半分あたりになるはずです。その半分のあたりを意識して、しわをいれる。しわもただの線ではなく、立体の表現の一部としてかく。立体を意識するひとつの方法としてラッピングラインをいれることがあります。ラッピングラインをいれて、布の立体を把握するだけで全く見栄えが変わりました。動きの添削ではないですが、今回の添削で一番なるほどと思ったポイントです。どんな線をかくときも、できれば、なぜそこに線を引くのか理屈づけして引けた方がいいんだなと思いました。

ポイント2:前後の動きを考えて布をかく


上の次のコマの絵が下の絵です。
上よりも下は実は、両手の間の距離が少し広がっています。広がっているということは、布のたわみ具合は少なくなるはずです。そこも意識できていませんでした…。

A-2 添削前 と 添削後
布だからといって、ただ根拠なく、たわませとけばいいというわけではない。

布は自由に動きまわる分、どんなかたちにするのかが難しいですね。
次のコマはどうでしょうか?

A-3 添削前 と 添削後

布のかたちも、動きとともにどこに線を引けばよいか迷いますが、動きの軌道にそうようにかくと、良いということでした。なぜなら、布がその瞬間そのかたちをしているのは、ある一連の動きの中の一枚の絵だからです。何か他の力を加えない限り、動きの中で突然まったく違う方向に向いたりすることはないはずです。
あと、流れがわかりやすい線にする。しわを入れるなら、なぜそこにしわができるのか考え、流れを邪魔しないしわをかいた方がいいです。

ポイント3:立体も意識した上でシルエットも考える

下のコマはタオルを下におろす間の絵です。

添削前 と 添削後

添削前と添削後でタオルの流れ自体は変わっていないですが、添削後の方がシルエットで、タオルがどこに向かっているかはっきりしています。

あと、どこが裏なのか、表なのかの感じもはっきり出るといいです。

ポイント4:立体を考えるために、回り込みも意識する


タオルが湾曲して、裏に回り込むとき、その見えない回りこみも意識するとより立体を理解することができます。裏の布面を考えると、タオル全体の面積も把握しつつかくことができます。裏にあるかたちを意識すると、タオルの底の楕円のかたちなども見えてきます。

回り込みも考える

④動きのポイント

1:空気の移動で布の山になっている部分が移動する

空気が移動していくので、タオルの頂点(角になっている部分)が移動します(赤い点部分)

2:からだの一部が動くと連動して他の部分が動く

これをわかっていなかったので、人形っぽくなってしまっていました。
特に最後の方のコマの頭を少し前に動かす動き。添削前は頭しか動いていません。

添削前 Before

頭は背骨と連動して動いているので、頭を前に倒すということは、からだ全体が少し動くということになります。なかなかからだの一部だけを動かすということは難しくて、どこが一部を動かすと他のからだも連動して動くものです。特に頭は重いので、頭を動かせば、重心が変わります。合成で、体の一部だけを動かすこともありますが、その時若干不自然に見えるのは、そういった理由からということでした。

今回は、頭が前に動くので、それに合わせて、腰を少し後ろに引くように修正しました。

添削後 After

その他:アイレベルを決めておく


真っ白背景ですが、やはりそれでもアイレベルを決めておいた方がいいです。

★最後に添削前と添削後を再度比較

添削前 Before
添削後 After

今回は、動きよりも、布をどうかくかという話が多くなってしまいました。そこが自分が一番できていない部分だったので。

次はアングルの課題があるのですが、動きの話ではないので、割愛します。
アニメーターの課題集はこれで全部になります。ですが加えて、髪のなびき、目パチ、振り向きもメモしておきたいことがあるので引き続きまとめておこうと思っています。



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