4-1 坊主

美容学校卒業。

僕はその日の夜、坊主にした。そして、ニートになった。

今でこそ真面目に仕事をしているつもりだが、その当時の僕を知る人からすれば良くやっている方だと思う。良くやっている所か、めちゃくちゃ頑張っているぞと過去の僕に自慢したいくらい今は真面目にやっている。学生としては模範的な生活態度で真面目(高校、専門は皆勤賞)だが、いざ、仕事になるとキチンと向き合えない、どこにでもいる若者で、それの先頭を走っているような人間だった。アルバイトなんかは特に酷くて、責任感などは全くなく、ちょっと遊びに行きたいなと思えば、休んでしまう。それくらいの気持ちでやっていた。当時迷惑をかけた社員の方、アルバイトのメンバーにはこの場を借りて謝りたい。これを読んだ当時を知る人はいつでもお酒奢らせてもらいますので声をかけて下さい。精一杯謝ります。それくらいちゃらんぽらんな20歳だった。

学校も学校自体の成績というものが大切で、いわるゆ次の入学者数を増やす為にも就職率100%が学校が成し遂げたい目標で、何とか就職する方向に話を進めてくる。そんな先生の必死さも伝わっていたが、僕は就職活動を一切行わず、人生最後の学生生活を楽しんでいた。当然親からも就職はいいのか?と何度も聞かれていたが、僕は大丈夫だ。と答えるのみで、ある意味で仕事はしないと言う覚悟は出来ていた。古今東西そんな時の親と言うのは鬱陶しいもので、その話が出れば僕はささっと部屋に逃げ込み、いそいそと自分の世界に逃げていた。

ここから先は

1,172字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?