飯テロは精神を疲弊させる上に肥満の原因にもなっちゃうよ、という話

前回記事に引き続き、ガストロフィジクス分野の研究からの教訓を一つご紹介。

SNSに普及によって、料理の写真がいとも簡単に見れてしまう
(あるいは見ようと思ってなくても目に入ってしまう)
そういった環境に私たちは晒されています。
(ブログ、ツイッター、インスタグラム、facebookなど)
(テレビの料理紹介も同じです。)

そうした状況から「フードポルノ」という言葉が海外では生まれていたりします。
(日本でいうと「飯テロ(メシテロ)」というものです。)

さらには、温泉卵(あるいはポーチドエッグ)の卵黄が
トロトロと流れ出る様子には
ヨークポルノ(ヨーク=卵黄)」
という名前がつけられています。

実際、人間が料理の写真で特に目を惹きつけられやすい要素は
動きのあるタンパク質(protein in motion)」であることが
様々な研究から明らかになっているのです。

この「フードポルノ(飯テロ)」は実は人間にとって多くの悪影響があることもガストロフィジクス分野の研究では示唆されてきています。
(参考:GASTROPHYSICS: The New Science of Eating, Charles Spence

⑴ 食欲が増す
  (料理の写真を7分間眺めるだけで空腹感が増す)

⑵ 不健康な食生活を促進する
  (宣伝される料理の大半が過剰な脂肪・飽和脂肪酸・塩分を含んでいるため)

⑶ BMI値が高くなる(肥満体になりやすい)
  (料理の写真を多く見る人ほどBMI値が高くなる傾向(相関性)がある)

⑷ 精神を疲弊させる
  (料理の写真を見ると、無意識的に脳内でのシミュレーションが行われる→精神の疲弊(専門的にいうと意志力の低下))
*我慢したら、我慢によるストレスが生まれ精神的に疲弊
 我慢しなかったら、不健康な食事につながる(→その後罪悪感に襲われる)


いかがでしょうか。
思い当たる節がある方は非常に多いはず。
(この記事を読んでくださる方々は食に関心のある方がほとんどでしょうから、この経験が全くないことはおそらくないでしょう。)

ですので、
料理の写真を見続けるのはなるべく避けたほうがいいでしょう。
といっても、全く見ないというのは楽しみを失うことにもなりかねない
という方もいらっしゃるとは思いますので、
普段私が実践しているガイドラインをご参考までに。 
ポイントとしては
避けることにストレスを抱えない環境を作る」ことです。

⑴ 料理の写真を見るのは必要な時だけにして、5分以内で済ませる
 (食べに行く候補を探す時だとだいたい3件程度になる)

⑵ そもそも料理の写真を見てしまうきっかけになるものから距離を置く
(スマホを自分のそばに置かない、必要以上にコンビニに立ち寄らない)

⑶ 写真を見て、あえてよくなさそうな点(欠点)を考察してみる
(例:このスイーツものすごく甘そうだから砂糖多いんだろうな→砂糖の過剰摂取は身体に悪いから(AGEsを増やしてしまうから)止めよう)
*私が普段一番(無意識的に)実践しているのがコレです。

私の場合はこういった感じですが、ご自身の生活や性格にあったスタイルを探してみることをオススメします。


まとめると、
⑴ フードポルノ(飯テロ)はメンタルにも良くないし、不健康な食生活になりやすくなるからなるべく避けよう

⑵ フードポルノ(飯テロ)をストレスなく避けるための環境・生活の工夫を取り入れてみよう

といった感じになります。

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