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2024TJAR Day2 北アルプス下山

薬師峠出発

3時間ぐっすり睡眠。ストックシェルターを開け、空を見上げると曇り空。
すぐに支度を済ませて出発。ストック1本の心のダメージは歩き出してすぐに感じました。0時過ぎにも関わらず、太郎平小屋には応援の方がいらっしゃいました。ありがたい応援。
黒部五郎岳の登りに差し掛かると、ヘッドライトが前方に2個、後ろにも何個か見える。電波が悪く、携帯をみる時間がもったいないので分かるのは、途中で会った前方の山本選手のみでした。登りにストックがないのは予想以上につらい。でもないものはない。早く受け入れよう。そんなことを繰り返し考えながら黒部五郎岳を越えました。下りに差し掛かると何人かの登山者・応援者の方が。黒部五郎岳のカールは長く感じました。ただ、圧倒的に前回より速い。それを心の支えに。

槍ヶ岳・西鎌尾根へ

双六小屋ではたくさんの人。
三俣蓮華岳の手前で先行していった牧野選手が休憩中。CPを済ませ、行動食をとり、ここから登り。西鎌尾根の登りは苦手意識のない登りですが、この日はとてもつらい登りでした。力がでない。原因は、以下の3つ。
①行動食の補給が間に合っていないこと
②強い日差しと暑さ
③ストックがないこと
この状況で自分でコントロールできるのは①のみ。登山客の方に迷惑をかけないよう補給をしながら登りました。最後の登りは本当にきつい。暑い。そして、なんとか槍ヶ岳へ。

槍ヶ岳山荘@スタッフ

これだけ暑いと下界の気温はどうなっているのか。たくさんの応援をいただき、ほぼ一緒に到着した佐藤選手と一緒に下り始めました。

三俣蓮華岳への登り。空腹感がなくならず、前日ほどのパワーがでない。途中、前方にいると思っていた牧野選手が後方から現れる。言葉をかわし、すぐに牧野選手は前方に消えていく。三俣蓮華岳頂上、直前で小屋の店主さんが待っていてくれた。スタッフみんなで応援をしていたとのこと、石で作った「TJAR」の文字。御礼を伝え、双六小屋へと向かう。登山の方から多くの応援を頂く。やっとLINEWORKSが入り確認。双六小屋が有人CPになったことを確認し、先を急ぐ。双六小屋では牧野選手が休憩をしていた。チェックを済ませ、水を補給、登り始める。
西鎌尾根は苦手意識のない登り。ただ、この日はストックがないこと、日差しが強いことから暑く苦戦をする。登山者の方も多く、迷惑をかけないよう進む。空腹感が強く、少しずつ補給してもそのエネルギーはすぐに使われてしまう。食べられないことはないが、補給が追い付かない。槍ヶ岳山頂への登りは休み休み。後方に佐藤選手が見える。「苦しいのはみんな一緒」と思い、登る。山頂では中野さん、応援の方々が迎えてくれた。槍ヶ岳山荘でも多くの応援をいただき、スタッフ・応援の方とタッチをして出発。

2024報告書より

昼の上高地へ

応援にきてくれる父に「上高地はよくて夕方」
と事前に伝えていたため、15時目途になることを連絡しました。
予想もしていなかった昼間の上高地。
やや膝に疲れがきているものの下りは順調、極力平地と下りは走ることを決めていたので、ババ平からもゆっくりとですが走り続けました。
ときどきの応援が本当に嬉しいです。
心配していた暑さも木陰となるためそれほど暑さを感じず、順調に進みました。応援の方の話だと、前方に佐藤選手と山本選手。
ただマイペースで進むことだけを考えました。
迂回ルートの手前で佐藤選手と一緒になり、ここから歩行区間となるため上高地まで一緒に進みました。ときどきの日差しが本当に暑い。
ここでの話題はほぼ食べ物。上高地で何を食べるかでした。

上高地@野田さん

上高地に到着すると、小梨平の食堂のオーダーが16:00以降になるとのこと。
ややショックでしたが、もともと計画の段階で上高地で食事することは想定していなかったので大好きなチョコもなかアイスとジュース、そして、父も間に合い上高地を出発。
予期していなかった2022TJAR野田選手、牧野選手のお母さん・お姉さん、カメラマンの坂さんとも話ができ気分よく出発できました。
そして、Montbellのストックも購入!大きな収穫でした。

槍沢を佐藤選手と下り始める。水場に差し掛かった時、ラン仲間の宮地さんの姿が。IBUKIをみてここまで応援に来てくれたそう。前向きで陽気な宮地さんから元気をもらう。上高地は予期していなかった昼間に到着ができそうで嬉しい。ババ平を過ぎてからの平地と下りはゆっくりジョグで進む。横尾山荘、徳澤園では多くの方々に応援を頂く。石田さんの姿も。日差しは強いが樹林帯のため涼しい。

2024報告書より

恐怖のトンネル・木曽へのロード

長さは違うもののダブルストックはやっぱり安心感がありました。
上高地の到着は2022年大会よりも6時間の短縮。また、前回は小梨平でビバーク。今回、それよりも先に進めることはとても嬉しい気持ちでした。
ロードでもストックを使いながらゆっくりとジョグ。そして、恐怖のトンネルへ。

今回夕方、まだ交通量がそれなりにある時間で、トンネルは本当に恐怖でした。左車線は帰りの車で渋滞のため幅がなく、右側を選択。ときどき来る車に赤色点滅灯とヘッドライトで存在をアピール。壁に張り付きながらなんとか恐怖のトンネルを越えました。

トンネル@Xより

上高地からダブルストックでゆっくりとジョグ。途中ポールが応援に。気になってここまで来てくれたとのこと。予期せぬ友の応援に嬉しくなる。沢渡の自販機で少し休憩。交通状況は、帰りの時間も重なり、左側は渋滞、右側は時々車が来る状況。右側を選択。ヘッドライト、赤色点滅灯を装着して進む。前回は夜中のトンネル通過。今回は交通量があり、恐怖を感じる。車が来た時には壁に張り付き、慎重に進む。近づくサイドミラーが怖い。ダムに着く直前まで気が抜けない状況。ダムにつき、ようやくほっとする。

2024報告書より

ながわ山菜館へ

ダムを過ぎ、このあたりでようやくIBUKIをみる。
続々と上高地を越えてくる選手たち。マイペースのレースですが、2022大会では感じなかったプレッシャーも感じました。
ただ、自分のレースをすることを改めて自分自身の中で確認し、進みました。今日の目標地はながわ山菜館。前半は睡眠をとりたかったので3時間のタイマーをかけ寝ました。

ダムを過ぎると少し雨が。レインを着るほどではなかったためそのまま走る。ながわ山菜館に21時半くらいに到着。選手は誰もいなかった。身支度を整え、カレーメシ、カップラーメンを食べすぐに就寝。

2024報告書より

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