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2024TJAR Day1 北アルプス中盤

五色ヶ原へ

一ノ越を佐藤選手とほぼ同時に出発。
まずは龍王岳。人が少なくなるエリアですが、今回はたくさんの応援の方がいらっしゃいました。「InstagramやNOTEを読んでます」と言ってくださる方もたくさんいて嬉しかったです。足の疲れはあまりないものの佐藤選手の下りは速く、着いていくのがやっと。スピードがあえば一緒に進み、スピードが合わなければそれぞれで進む。
「Run your own race(2024TJAR Tシャツ)」
パックを組み、一緒に行くと精神的に楽ですが、どうしても甘えが生じてしまいます。そして、パックを組むことは必然的にどちらかがスピードを調整してしまう。だから基本は一人。これは最後まで意識しました。

「目的は自分のレースをし、2022年の自分を超えること」”Run your own race”という言葉はしっくりきました。

佐藤選手から少し遅れて五色ヶ原へ到着。
前回は16:50に到着でしたが、今回は12:55。
約4時間の短縮。

五色ヶ原到着。たくさんの応援
五色ヶ原にて

遠いスゴ乗越へ

五色ヶ原で休憩していた保田選手と佐藤選手と同時に出発。保田選手、佐藤選手は速く、すぐに離されていきました。そして、ガスが上がりはじめ雨も降ってきました。疲れもあり少しづつ不安になってきます。
この日の目標は、薬師峠。
時間的には十分ですが、疲労と霧と雨、そして風があり、不安になってきます。そしてなかなか着かないスゴ乗越小屋。苦手意識のある区間です。
スゴ乗越小屋に着くと保田選手と佐藤選手が休憩中。保田選手はまもなく出発というタイミング。
たくさんの応援の方がいて嬉しい気持ちもありましたが、この時は薬師岳を超えられるか不安な気持ちでした。この区間は天候が荒れた場合には風が強くなる区間、そして雷の可能性も。上下レインを着て、行動食を取り出発。前方に佐藤選手がみえるのは心強い。

薬師岳・薬師峠へ

北薬師岳の登り。食べられるもののエネルギーの補給が追いつかず力が出ない。頂上の天気が不安になっていたところ、登山者の方が何人か下山してきて天気は悪くなく風もないとのこと。暑くなってきたため、レインを脱ぎ出発。
北薬師岳、薬師岳の登りは、遠くに保田選手、数百メートル先に佐藤選手という状況。北薬師岳に着くころにはガスは晴れ、きれいな晴れ間が。
振返ると雲海に浮かぶ剱岳。今日登ってきた早月尾根もはっきりと見えます。佐藤さんに呼びかけこの景色を分かち合いました。
天気も味方してくれました。そして、この日目標としていた薬師岳へ。

雲海に浮かぶ剱岳(北薬師岳より)

薬師岳登頂、そしてトラブル

初日薬師峠に行くことは、今回の大きな目標でした。過去のリスペクトする選手たちが初日越えていく山。18時過ぎに到着。
ひとつの目標を達成し、頂上で手を合わせる。
日の入りも近づいてきたため、下山開始。
とそこで、
ストックが折れました…。

今回軽量化を意識し、前半はカーボンで行くことを決断。折れやすいため練習のときから注意し、この日も注意していました。やってはいけない岩の間に挟む痛恨のミス。
ロングレースには予期しないトラブルは絶対あること。それを受け入れることが必要でしたが、だいぶ落ち込みました。

薬師岳山頂付近(ストックが折れた後…)

日没とともに気持ちも暗くなり薬師峠への道も気持ちが入らない。
小屋、薬師峠手前で応援をいただきなんとか受け入れることができました。ただ、待ち受けるのは槍ヶ岳西鎌尾根、そして中央アルプス。
成長を実感でき、ひとつの目標を達成できた1日目。ただストックがない不安。とても複雑な気持ちで1日目を終えました。

北薬師から薬師岳は遠く見える。空腹と疲れでスピードが上がらない。薬師岳になんとか登頂。頂上でお参りをすまし、下山を開始しようとしたところで、ストックを岩に挟み折る…。カーボンは折れやすいので注意をしていたが、ほっとし、気が抜けたのか。初日のストックシェルターはこのストック、明日は西鎌尾根・・・。落ち込みながら薬師峠へ下山。綺麗な夕日、日没とともに気持ちが下がる。薬師峠手前で待ってくれていた応援の方がいて、何とか気持ちを取り戻す。混雑の薬師峠でストックシェルターを張れる場所をみつけ、カレーメシ・カップラーメンを食べ、早々に就寝。体調管理のため、サプリメントも忘れずにとる。

2024報告書より


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