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餅と団子のはなし

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餅と団子は、聞き取りで必ず登場します。普段からおもてなしの「よびし」の時、冠婚葬祭には欠かせない食。少しずつマガジンにまとめていきます。
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記事一覧

サルトリイバラは「ぼんがら」「がらたて」「がんばら」・・・【食文化継承研修】

7月21日午後1時半から、滋賀県多賀町敏満寺(びんまんじ)にある、胡宮(このみや)神社社務所でYOBISHIプロジェクトメンバー食文化継承研修を実施しました。滋賀県立大学の学生3人と総勢11名の参加でした。 エアコンの無い建物でおくどさんに火をくべるには、厳しい猛暑日となってしまいました。昔ながらの葦葺き屋根の建物は、外よりも格段に涼しいです。首に保冷剤を巻いて扇風機の風に頼り、途中、赤紫蘇ジュースで熱中症予防しながら無事に研修ができました。 ぼんがらとは、サルトリイバラ

このみやさんでチマキづくり覚え書き【令和6年】

令和6年6月15日、滋賀県多賀町敏満寺の胡宮神社 社務所でちまきづくりワークショップを開催しました。 当日の準備 9時にスタッフ集合。 ちまきの葉を拭いて水気をとります。 茎を切って団子を刺す串(ハシ)の部分をとります。 まずは、たっぷりお湯を沸かします。 ベニバチを洗ってからお湯をくぐらせておきます。団子をこねるのも熱湯。とにかくお湯が必要・・・。 ツゲ(すげ)を茹でます。 10時ワークショップ開始 社務所に集合して挨拶ののち、 自然観察員さんの案内で植物観察に出

【後編】大学で「食文化の伝承と発信」をテーマに講義しました

令和6年6月24日、滋賀県立大学「地域教育プログラム」地域基礎科目 【近江の美】の一コマ 「食文化の伝承と発信」をテーマに講義させていただきました。 後半は伝える、つなぐをテーマにお話ししました。 前編はこちらから ↓ 02 伝える 展示noteでは、過去のYOBISHIプロジェクトで開催した展示イベントについてあまり紹介出来ていませんでした。 foodscape 料理開拓人 堀田裕介さんが提唱された foodscape フード食とランドスケープを掛け合わせた造語。多

【前編】大学で「食文化の伝承と発信」をテーマに講義しました

令和6年6月24日、滋賀県立大学「地域教育プログラム」地域基礎科目 【近江の美】のひとコマ 「食文化の伝承と発信」をテーマに講義させていただきました。 今回、講義をするために、改めて活動内容、調査してきたこと、発信してきたことをまとめる機会となり、良き振り返りとなりました。 講義内容パワポを紹介します。 【その1】YOBISHIプロジェクトの活動紹介 YOBISHIプロジェクトを動かす中心メンバーは、滋賀県外からの移住者です。多賀町の文化の懐の深さに惹かれたのは二人の共

【後編】川で洗濯した笹葉で、つまき(ちまき)こさえる!

6月9日雨。山の集落はひんやり、寒いくらいです。 萱原地区の「つまき作り」は6月9日、旧暦端午の節句の前日に作ります。続編の記録を綴ります。 多賀町萱原(かやはら)のYさん宅に朝9時集合。 前編はこちらから ↓ 笹葉の準備 笹の新芽の細く丸まっているところと、小さい葉をハサミで切ります。 「新芽は抜けたら抜いたらええ、ハサミでなるべく短く切るやで」と。 ついつい抜きたくなり、引っ張りますが、スッと抜けるのと、頑張って引いても取れないものがあります。 団子をこねる

【前編】つまき(ちまき)準備は、川へ洗濯に!!

令和6年の旧暦端午の節句は6月10日。 Yさんは、子どもの頃から毎年、ずっと旧暦 端午の節句に「ツマキ」を作り続けて来られたそうです。 「旧暦端午の節句にウチとこでも「つまき(ちまき)」作るさかい」と聞き、ぜひ取材させてください!とお願いしました。 「ちまき」ではなく「つまき」 滋賀県多賀町にある 2つの川と 3つの谷筋。 同じ町内なのに、谷筋ごとに少しずつ方言も文化も違うのがこの町の魅力的なところ。 一番南の谷筋、犬上川の南谷上流、犬上ダム近くの集落、萱原(かやはら)

スゲを刈りに行く

2024年6月4日 6月15日開催の「ちまきづくり」ワークショップの準備、 団子をクマザサで包み結ぶ紐、菅(スゲ・カサスゲ)を刈りに行ってきました。 「ツゲ(カサスゲ)は、早いこと刈って、干しとかんならんで」と昨夕連絡があり急遽行くことに。 1週間は陰干ししなければならないそうです(忘れていました)。 なるべく長いんを採るんやで!と。 少し日陰になる場所に生えるスゲの方が背丈が長いように思います。 刈り取って、葉先の方で束ねてバサバサ振ると、短い葉や枯れた葉が落ちるそう

そら豆餡の「蕎麦もち」搗くよ!

あんこ炊きと餅つきの師匠Nさんから、「蕎麦もち作るさかいにおいでや!」とお誘いいただきました。 コワ餅の要領で、蕎麦粉:もち米を1:1で実験してみよう!と。 もちろん杵と臼を使って。なんとも贅沢な、多賀町産のそば粉と、もち米とそら豆を使用。 春は「包み餅」で、正月は伸し餅と鏡餅を搗いていたそうです。春祭りの宵宮ヨミヤに配るよもぎ団子は、5~6臼ついて、親戚やらに重箱に一杯詰めて配ったそうです。(ひと臼は餅2升分) 昔はおくどさんに蒸籠を重ねてもち米を蒸していて、下の方が早く

乾燥そら豆でいっぺん「おたふく豆」炊いてみてちょうだい

まあいっぺん炊いてみてちょうだい 「おたふく豆」って炊いたことある??と聞かれて、 あの「おたふく」顔のお多福??と連想して、 なんとか「そら豆」に結びつきましたが・・・。 知っているそら豆料理は、懐かしい香川県の味で大好物の「醤油豆」。 フライパンで炒って、醤油と砂糖と唐辛子を効かせて甘辛く炊いたもの。帰省したら必ず真空パックのをお土産に買います。 醤油が入らない、甘い「おたふく豆」って?? 山間部の聞き取り調査でも、よく「おたふくまめ」を甘く炊いたのを作ったと聞きます

「あんこ」を手作りしたらやってみたい5つの食べ方

ゴールデンウィーク後半、「あんこ」を炊いて楽しみました! 市販のつぶあんでも良かったんですけれどね。豆を煮るのは楽しい時間なのです(笑)。 「あんこ」作りは好きな手仕事 自分好みのあんこを炊くのは楽しい手仕事。 小豆を炊くのはいつもストーブの上で放置してですが、今回はガスコンロで炊いてみます。 小豆の袋を開封してから「あんこ」になるまで約2時間。 ゆる~く作ります。 残念ながら地元、滋賀県多賀町産小豆は昨年末に完売してしまい手に入れることが出来ず。町内のKさんとNさんの小

杵と臼で「よもぎ」も搗く「よみや団子」にチャレンジ!

よもぎ摘み 令和6年4月21日、冷凍保存したよもぎペーストストックを持って、宵宮(よみや)団子作りに行ってきます!!と、張り切っていたら、杵と臼でよもぎをすりつぶして、餅搗く方法でやってみたいねん。と朝一番連絡が・・・。 朝から小雨ですが、再びフレッシュよもぎ採取4回目に行ってきました。 という話の続きです。 朝摘んで、水にさらしていたフレッシュよもぎを袋に入れて、多賀町栗栖のN邸に集合! 摘んできたよもぎは合わせて約400g。茹でて搾るとテニスボールほどのサイズになり

4月21日「よみや団子」のために「よもぎ」摘み4回!足りるかな?

4月21日は、宵宮(よみや)。 よみや団子は、懐かしいけど、誰も作ってくれる人がいはらへんし、自分で作らなしゃあないわな。今年も、よみや団子作るさかいにおいでや! 宵宮(よみや) 4月22日は、多賀大社の古例大祭(これいたいさい)。鎌倉時代より続く由緒あるお祭りです。地元の人は「多賀まつり」と呼んでいます。 前日の宵宮(よみや)に、よもぎ団子を作ってお重箱に詰め、親戚中に配ったそうです。それも、昭和終わり頃までのことで、今はもう無くなってしまった習慣だとか。 神輿や鳳輦

お手軽に「ぼたもち」を3分でつくる

令和6年3月20日春分の日、お彼岸の中日。 暖冬で土筆が出てきて、ぽかぽか陽気でそのまま春になるのかと思いきや、今日は、早朝から落雷、霰が降り霙まじりの荒天。 お墓参りは、天気の良い日に改めます。 家族みんな大好き、ぼたもち(おはぎ)。 我が家では年中「おはぎ」と呼びますが、春は牡丹餅というそうなので。今回はぼたもちで書きます。 餡は前日から解凍 お墓参りに行くのに、ぼたもちがあったら喜ばはるかなあと思い、冷凍保存しておいたそら豆の餡を出して、冷蔵庫で解凍していました。

「そら豆」で餡をつくる

旧正月と建国記念日の三連休は、病み上がりにつき自宅に籠もる。 体調が回復してきたのか、あんこが食べたくて。 残念ながら、小豆のストックが切れていまして。 そんな時、乾物ストック棚を見ていたら、数年間放置していた乾燥そら豆と目が合ってしまいました。ずっと見て見ぬふりをしていた「ひねたそら豆」を使うか・・・。 雪予報??(ハズレましたが……)  薪をストーブにくべて、部屋を暖かくしたいので、煮物を作る環境は万全。 ちょっと昔までは、小豆は高級なので、そら豆で餡を作っていたと聞