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餅と団子のはなし

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餅と団子は、聞き取りで必ず登場します。普段からおもてなしの「よびし」の時、冠婚葬祭には欠かせない食。少しずつマガジンにまとめていきます。
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記事一覧

乾燥そら豆でいっぺん「おたふく豆」炊いてみてちょうだい

まあいっぺん炊いてみてちょうだい 「おたふく豆」って炊いたことある??と聞かれて、 あの「おたふく」顔のお多福??と連想して、 なんとか「そら豆」に結びつきましたが・・・。 知っているそら豆料理は、懐かしい香川県の味で大好物の「醤油豆」。 フライパンで炒って、醤油と砂糖と唐辛子を効かせて甘辛く炊いたもの。帰省したら必ず真空パックのをお土産に買います。 醤油が入らない、甘い「おたふく豆」って?? 山間部の聞き取り調査でも、よく「おたふくまめ」を甘く炊いたのを作ったと聞きます

「あんこ」を手作りしたらやってみたい5つの食べ方

ゴールデンウィーク後半、「あんこ」を炊いて楽しみました! 市販のつぶあんでも良かったんですけれどね。豆を煮るのは楽しい時間なのです(笑)。 「あんこ」作りは好きな手仕事 自分好みのあんこを炊くのは楽しい手仕事。 小豆を炊くのはいつもストーブの上で放置してですが、今回はガスコンロで炊いてみます。 小豆の袋を開封してから「あんこ」になるまで約2時間。 ゆる~く作ります。 残念ながら地元、滋賀県多賀町産小豆は昨年末に完売してしまい手に入れることが出来ず。町内のKさんとNさんの小

杵と臼で「よもぎ」も搗く「よみや団子」にチャレンジ!

よもぎ摘み 令和6年4月21日、冷凍保存したよもぎペーストストックを持って、宵宮(よみや)団子作りに行ってきます!!と、張り切っていたら、杵と臼でよもぎをすりつぶして、餅搗く方法でやってみたいねん。と朝一番連絡が・・・。 朝から小雨ですが、再びフレッシュよもぎ採取4回目に行ってきました。 という話の続きです。 朝摘んで、水にさらしていたフレッシュよもぎを袋に入れて、多賀町栗栖のN邸に集合! 摘んできたよもぎは合わせて約400g。茹でて搾るとテニスボールほどのサイズになり

4月21日「よみや団子」のために「よもぎ」摘み4回!足りるかな?

4月21日は、宵宮(よみや)。 よみや団子は、懐かしいけど、誰も作ってくれる人がいはらへんし、自分で作らなしゃあないわな。今年も、よみや団子作るさかいにおいでや! 宵宮(よみや) 4月22日は、多賀大社の古例大祭(これいたいさい)。鎌倉時代より続く由緒あるお祭りです。地元の人は「多賀まつり」と呼んでいます。 前日の宵宮(よみや)に、よもぎ団子を作ってお重箱に詰め、親戚中に配ったそうです。それも、昭和終わり頃までのことで、今はもう無くなってしまった習慣だとか。 神輿や鳳輦

お手軽に「ぼたもち」を3分でつくる

令和6年3月20日春分の日、お彼岸の中日。 暖冬で土筆が出てきて、ぽかぽか陽気でそのまま春になるのかと思いきや、今日は、早朝から落雷、霰が降り霙まじりの荒天。 お墓参りは、天気の良い日に改めます。 家族みんな大好き、ぼたもち(おはぎ)。 我が家では年中「おはぎ」と呼びますが、春は牡丹餅というそうなので。今回はぼたもちで書きます。 餡は前日から解凍 お墓参りに行くのに、ぼたもちがあったら喜ばはるかなあと思い、冷凍保存しておいたそら豆の餡を出して、冷蔵庫で解凍していました。

「そら豆」で餡をつくる

旧正月と建国記念日の三連休は、病み上がりにつき自宅に籠もる。 体調が回復してきたのか、あんこが食べたくて。 残念ながら、小豆のストックが切れていまして。 そんな時、乾物ストック棚を見ていたら、数年間放置していた乾燥そら豆と目が合ってしまいました。ずっと見て見ぬふりをしていた「ひねたそら豆」を使うか・・・。 雪予報??(ハズレましたが……)  薪をストーブにくべて、部屋を暖かくしたいので、煮物を作る環境は万全。 ちょっと昔までは、小豆は高級なので、そら豆で餡を作っていたと聞

話し言葉は関西弁…お雑煮文化は?

親戚や隣近所の人が寄ることを「よびし」と言い、 お正月に親戚などが寄ることを「正月よび」とここらへんでは言います。 残念ながら若い世代には、馴染みのない言葉になってきています…。 その「正月よび」でいただくお雑煮、この町(滋賀県多賀町)の傾向がなんとなく分かってきました。 「どんなお雑煮を召し上がりますか?」 滋賀県多賀町は、平野部から山間部まで40ほどの集落があります。 鈴鹿山系を境に三重県と岐阜県に接する町です。 10年ほど前から、年に4集落ずつ民俗聞き取り調査をし

【よびし通信no.29】ゆりこ団子は究極の食品ロス削減

多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技【赤かぶらの切り漬けは冬の常備菜】 三十数年前にお姑さんから聞いて習ったという「赤かぶらの切り漬け」を教えてもらいました。年に一 度の恒例手仕事。毎年、百個超えの赤かぶらの下ごしらえを一日仕事でされてきたそうです。「切り漬けの ええとこは、作ってすぐ食べられること。」しばらく 漬けて乳酸菌発酵したのも美味しいです。 滋賀県の伝統野菜「万木かぶ」 は、赤かぶらで葉の軸が白い品種、 アブラナ科は交雑しやすく、その土地ならではの種が発達したよう

稲藁をもらいに行って『わらしべ長者』の「しべ」の価値が気になった日

いつも稲刈りは突然 「今年も年末に、しめ縄作りのワークショップしはるやろ? 私らもな、ムシロ編み機を修理してな、ムシロ編みたいねん。 藁をな、確保しといてくれんやろか??」 半年前から、地元老人会を取りまとめる先生からお願いされていました。 「藁そろそろやろ?たのむでなぁ」 と、月曜日に出会った時にも念を押され、そろそろ稲刈りかなあと心構えしていましたが、今年も突然でした。 お願いしていた方から夜に、 「明日な、稲刈りすんねん。何時ごろ来れる?」 というわけで・・・。 夜遅

かき餅を焼くは「育てる」感覚

思い出の定番おやつ 聞き取り調査で、必ず聞く定番おやつが、「かき餅」や「あられ」。 冬の一番寒い時に、餅を搗いて、ジュウ(フードコンテナ)にのばし、薄くスライスする。それを藁縄の間に挟んで縁先に吊るして乾燥させる。乾燥したら缶に入れて保存する。 火鉢で炙って食べるのが美味しかった~と聞きます。 子どもの頃、母が正月に余った餅を小さいサイコロ状に切り、網戸の上に干して「あられ」を作っていました。(緑色のあの網戸の上で。夏が終わると家中の網戸は洗って片づけていました。そうい

ちまきづくり覚え書き

このみやさんで ちまきづくり令和5年6月24日(土) 滋賀県多賀町敏満寺 胡宮神社(このみやじんじゃ)社務所で、 ちまきづくりのワークショップを開催しました。 素敵なところです ちまきづくりは例年、山の集落、多賀町桃原(もばら)でしていましたが、今回初の胡宮神社での開催です。建物外観の写真を撮っていなくて、写真は昨年5月「よびしの道具展」をした時の写真です。胡宮神社社務所の庭園は昭和初期に国指定となっています。数年前に建物が修復されました。秋の紅葉名所ですが、青紅葉も美し

チマキ作りの熊笹を刈りに

6月23日(旧暦5月6日)曇り チマキ作り用のクマザサを刈りに行ってきました。 旧暦5月5日にチマキを作る集落もあります。確かに、この辺ではこの季節にならないとクマザサの新芽が綺麗に出そろっていません。クルンと丸まった小さい新芽でゴールデンウイーク頃の笹葉では到底団子が包めそうにないです。 シカの食害と土地開発でクマザサの数がどんどん減ってしまい、チマキを作るのも大変です。 昨年から、中学校の協力を得てクマザサを刈らせていただいています。除草作業の時期と重なり、刈られてしまう

スゲを刈りに

6月14日雨のち曇りの梅雨真っ只中。 6月24日のチマキ作りワークショップに向けて、「スゲ」を刈りに行きました。 クマザサで包んだ団子を縛る紐の部分です。 教えてくださる方の集落では「スゲ」ではなく、「ツゲ」とおっしゃっています。「茎の切り口が三角になってるんが、ツゲやで。」って言葉をメンバーが覚えていて(素晴らしい!)。鎌で刈り取りました。 タネが出来ていて。その密度が集合体恐怖症じゃないんですけど、どうも、虫のようにもみえて気色悪い。 カヤツリグサ科のスゲ、本当にス

チマキづくり。郷土料理は「生活圏で手に入るもの」。

チマキと言えば、端午の節句か京都の祇園祭が思い浮かび、お店で買うものとばかり思っていました。 滋賀県多賀町の山間部では、田植えが終わった早苗饗(さなぶり5月休み)や、旧暦の端午の節句、山の集落の氏神様のお祭りの日にチマキが作られています。笹葉(クマザサ)に白い餅(米粉団子)を包んでスゲで縛ったものを茹でて、笹の香りを楽しむ団子。 チマキは、保存食にして乾燥させ、食べるときに茹で戻したそうです。田植えの忙しい日に重宝する即席団子⁈ 笹葉を摘みに どれがクマザサか、初めは見分