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"損切り“への認識、それたぶん間違ってます。損切りの本質について考える

 

1.損切りへのネガティブな印象と誤解

  

損切りについて反射的に抱いてしまう印象や、
実際に損切りしてしまった時に感じる感覚はどんなものだろうか。
 
 
・大事なお金が減る
・失望感や無力感を感じさせる
・怒りが沸いてイライラする
・必要と分かりつつできれば避けたい
・あの逆指値の約定音が大嫌い
・トレードの中で一番嫌い
・苦しみや辛さを与えるもの

  

おそらくこのような、ネガティブなものばかりだと思う。
私も以前はそうだったため、よくわかる。
 
しかしこれらの印象は、あまり好ましくない。
  

一方で、少し冷静に損切りを捉えている時もあると思う。
損切りについて向き合っている時や、前向きに考えている時。
その時には
 

・損失は必要経費だ 
・損失は勝つためのコストだ
・勝つうえで避けては通れないものだ

 
 
という風に思える事もあると思う。
 

実際これについては、正しいと思う。
 
しかし言葉としては理解しつつ、実際の損切り場面で感情的に納得するのは難しいと思う。
 
結局は、最初に挙げたネガティブな印象を拭えない。
 

 

2.損失は必要経費、勝つためのコストということについて理解を深めてみる


 
経費・コストとはどういうモノか。

例えばこんな変わったクレーンゲームがあったとする。
  

クレーンゲームは、一回1万円ででき、2万円の入ったカプセルを取るというものとしよう。
カプセルが取れた場合、入れた1万円は返却される。

クレーンゲームを観察しているうちにある有利なやり方をみつけ、チャレンジする。

ゲームするにはまず1万円を機械に入れてから、ツメを動かして取ろうとする。

1万円は、ゲームに参加するための”経費・コスト”といえる。

そこで10回チャレンジした結果は以下の通り
 

回数:1  2  3  4  5  6  7  8  9  10
結果:〇 〇 ✕ ✕ ✕ 〇 ✕ 〇 ✕ 〇

 

5回カプセルが取れ、5回は取れなかった。
 
+2万円×5=計10万円の利益
-1万円×5=計5万円の損失
 
 =差し引き5万円の利益 となる。

 
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 

クレーンゲームの例をトレードに直すと、
 
「損失1万円、利益2万円を狙えるトレード(RR比率 1:2)を10回い、勝率50%だった」
 
ということになるワケだが、これをトレードと対応させる上で、見落としがちなポイントがある。
 

それは、クレーンゲームをする時、経費・コストは、”必ず先に支払われていなければならない”点だ。
ゲームに参加した時点で、もう支払い済み。
 


これをトレードに置き換えると次のようになる。

「ポジションを持った時点で、想定される損失(経費・コスト)を既に支払っているに等しい」
 

 
つまり 

トレードでいえば、一定の逆行で1万円損切り、一定の順行で2万円利確という場面があったとする。 
 
この時、
 
ポジションを持った時点で、1万円の損失が確定している(経費・コスト支払っている)と考えたほうが良い。

言い方を変えると
 
2万円の利益を得られそうな優位性のあるトレードに、喜んで1万円を払っている。

 
となるかもしれない。
 
大袈裟かもしれないが、これがより損切りの実態に近い考え方になると思う。
 
 
ここで考えてほしいのは 

ポジションを持った時点で、勝つために必要な経費の支払いがもう“確定”していると仮定しすると
それが実際のトレード結果で損切りという形で現れたとして、一体何がダメなのか?

  

ということになる(もちろん期待値がプラスであることが前提だが)。 
 

損切りされた
 = 既に支払い済みの経費・コストが、目に見える形になっただけ

  

ならば、論理的には何も問題はないのではないだろうか。 
  

この辺りが少しでも納得できれば 
 
「あぁ、それだけか。なら損切りで過度に落ち込むのってアホらしいな」
 

と思えるかもしれない。
 

 

3.では、実際に損切りについてどのように意識してトレードへと臨めば良いか

 

実際のトレードでの心構はどうすれば良いか。
 
例えば、以下が損切りをより正確に捉えたトレードの心構えとなるだろう。
 

「ここは優位性が高そうだ。損切り目安はこの辺で(1万円損失)、利確はこの辺(2万円利益)か」
 
「よし、この優位性のある取引1回に、1万円支払おう」


 

こんな感じになる。
 

1万円を支払って、優位性の高そうなトレードへの参加権を得るようなイメージ。 
 
期待値プラスのトレード1回に参加するための経費・コストの支払いを、もう済ませているという意識。  

 
クレーンゲームにお金を入れてから動かすのと、同じような感じになる。

 
この意識を(無理矢理にでも)強く持てば、損失が確定したとしても、それはもう支払い済みなので問題はない、と少し思えてくるハズだ。

なんならポジションを取った時点では損益±ほぼゼロなので、その時点で1万円得している気分いなってもいいかもしれない。
 
損切りというものの性質をより正確に捉えると、こういう感じになると思う。
 
 

4.仮に論理的にはそうでも、実践するには訓練がいる。その時、損切りへの正しい認識があれば助けになる


 

ここまで話した損切りの性質を理解しても、それで損切りを抵抗なく出来るかといえば別問題だ。
 
損切りに対するネガティブな印象がすぐに拭えるのなら誰も苦労しない。 
 
根強くパターン化された感情・思考の問題というのは、そう簡単には解決できない。
 
しかし意識して訓練することで、ネガティブイメージをかなり軽減できると思う。
 
その上では、損切りの性質をより正しく認識しておくことが1つの知識的な助けになる。

徐々に意識していくことで、今までより少し楽に損切りできるようになるかもしれない。

   


 
 

損切りができない心、根付いてしまった感情・思考がトレードに及ぼす悪影響。その解決策は以下のnote↓を参照してほしい。有料なので最後までは読めないが、序章と無料公開部分だけでも参考やヒントになると思う。

  
 
 

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