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「お店日記」第10日:土佐料理でおなごにモテようと考える夜!?

♪土佐の高知の はりまや橋で 

 坊さんかんざし 買うを見た 

 よさこい よさこい――


有名な「よさこい節」の一節です。

坊さんが町娘に恋をしちゃって
修行中の身にもかかわらず
かんざし買ってやって気を惹こうとしたんだとさ、
という歌ですね。

実はこれ
かんざし買った坊さんが恋に落ちた女の子は
別の坊さんのことが好きで
むかついたかんざし坊主が

「あいつが修行中のくせに女にかんざし買ったらしいぞ!
けしからんな、プンプン」


と、モテ坊主の陰口を歌ったのが本当なんだとか。

もとから味わい深い歌詞ですが
その奥はもっと味わい深いというか
坊さんだろうがなんだろうが人は人、みたいに
大人ならニヤっとしてしまう歌だったんだなぁ、
などと。



ちょっとキレイ目に始まってみました。
よーさんです。
柄じゃないですね(笑)。


いや、うまい高知のお料理を出すお店に行ったもんで
なんとなく雰囲気出ちゃいまして。
ははは。


まずは高知と言えば誰もが知るこれ。

鰹のたたき


そうです。

ずっとご覧いただいてる方はご存知かと思いますが
前にちょこっと載っけたあの写真

キリっとそそり立つ鰹のたたき

が出てくるお店です。

こちらのお店
なかなかのプレゼン上手。

たたきをオーダーすると
オープンキッチンがとんでもないことに。

完全に火柱(笑)。

本場の味を再現すべく
大量のワラを燃やしてたたきにしてくれるという。

トゥーマッチな演出だけど
できた鰹のたたきを
口に入れるととにかく藁焼きの香ばしさが。
あまりに強烈な「薫り」に
もう野良で山焼きしてる気分(笑)。

ミョウガや青ネギの爽やかな風味に続いては
鰹特有の血を感じさせる海の赤身。

牛や豚がブリやタイなら
鰹はシカやイノシシ的とでも言うべきか?
なんていうか香ばしく焼けてるし
レア焼きの海のジビエみたいな気もしてきます。

忘れちゃいけないのはニンニク。
これがなけりゃたたきは絶対にダメ。
鰹は強いもんね、味が。
ワサビじゃ役不足で
ニンニクくらいがほんとちょうどいい。

厚切りで出してくるとこも
魚好きの気持ちわかってらっしゃる。


ここで初めて知ったんですが
(なんせご当地には行ったことなくて)
高知の方は鯨もよく召し上がるそう。

鯨刺しと鯨ベーコン。

めっきりお目にかかれなくなりましたが
やっぱり旨い。

ドレッシングみたいなソースは
ベーコンの淡白な味によく合います。

赤身はもちろん炙ってある。
当然こいつもニンニクつきで。
この際匂いのことは忘れる、と(笑)。


お次も高知の方の大好物。

どろめ。

なんのこたぁない、
シラスです。生の。
つるっとぷつっとした口当たりと
でゅるるんと通っていく喉ごしがとてつもなく幸せ。

地元では「どろめ」と呼び
これが獲れる季節になると
大きな杯に一升の酒を満たし一気に飲む祭りもあるとか。

気持ちはわかるが
気持ちしかわからんとも言う。
そんなにして飲まんでも(笑)。


でも高知というか土佐っ子、
酒豪のイメージありますよね。


お酒はこんな具合。

辛口のいいやつ揃ってます。

魚介にはやっぱ日本酒度の高い辛口で。


最初の方で言いましたけど
ここんち、
ほんとにプレゼン上手。

ガラスのお銚子&お猪口はキレイだし
箸置きまでぬかりない。



実際の高知のたたきのうまい酒場がこうじゃないのは
間違いなくわかる。

でもどういう風に見せてやったら
客のテンションが上がるか、
ってのをほんとによく考えてるなぁ、と。


食いしん坊と女の子のハートを
両方つかむお店でありました。
わらやき屋@新宿。


都心でぐいぐい店舗拡大中ってのが
よくわかる晩飯となりました。



ところで
あの町娘はどっちの坊さんとつき合ったんでしょうね。

ぼくが町娘ならプレゼン力のあるここのお店みたいな
かんざし坊主も悪くないし、
無愛想な店主が古くて地味なカウンターで
黙ってホルモンを焼くような
モテ坊主も嫌いじゃない。

♪土佐の料理を 小粋な箸で~

 よーさん 鰹を食うを見たぁ

 酔っさこい 酔っさこい~

仮に女子といい雰囲気になっても
お酒の方が楽しいとちょっとだけ本気で思ってます。
そもそも町娘目線ってのが(笑)。

いいシメ方が思いつかなくてごめんなさい。


#飯テロ #鰹のたたき #高知 #土佐

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