PLAUBEL makinaというカメラ
僕には愛しているカメラがある。これまで幾つかのカメラを買ってきたけど、中判フィルムカメラとカラーネガが作り出す素晴らしい色階調のプリントに魅せられてからは他のカメラは使わなくなった。記録写真のデジタルを除いて。
中判の中でも6x7のアスペクト比に惹かれ、Mamiya7、RB67など色々悩んだものだった。しかし、そんな悩みも6x7の蛇腹のカメラを見て一瞬で吹き飛んでしまった。それこそがPlaubel Makina67シリーズだ。
このカメラを最初に知ったのはいつだったか覚えていないが、Martin parr氏が使っているということを聞いたときには良いカメラ使ってるな、と感じたものである。
なかなか良い個体に巡り会わなかったが、いまから15年ほど前にナショナル・フォートを偶然訪れた際に、ものすごく美しいmakina670と出会い、その場で取り置きをお願いした。当時(今も)お金をあまり持っていなかった僕は三日三晩熟考し、少し無理をして購入した。
その後、ひょんなことからmakina W67とも出会い、こちらも購入を決めた。そのため現在の私は2台のmakinaと暮らしている。
このmakina 670に付いているレンズは、Nikkor 80mm F2.8というレンズ。このレンズはとてもコントラストが高く、色ノリが良い。ニューカラーのファンである私には非常に相性が良い写りをする。また、収差は中判ならではのボケの中に飛んでいってしまい、気にならないのもポイントである。
合わせるフィルムはカラーはPRO160とPRO400をメインにしていた。どちらもすでに生産終了していて残念な限りである。このレンズ、モノクロも似合って400TXを好んで利用していた。
GF670という富士フイルムの6x7カメラも持っているが、触り心地も写りも個人的にはmakinaのほうが好き。(ただし、AutoExposureがGF670にはついているし、ファインダーも明るく見やすい。撮影の気楽さはGF670のほうが圧倒的に上。)
自由な身ならmakinaと日本中を旅したいと思う。すでにいろいろなところをmakinaと旅したが、そのたびに愛着が増している。
過去に海外に連れて行こうと思ったこともあったのだけど、盗難や破損が怖かったこと、撮影の気楽さを考えて携行カメラをGF670にしてしまったのはちょっと後悔している。
おそらく一生このカメラは手放さないで生きていくと思う。フイルムや印画紙がなくなっても、このカメラを手放すことはないだろう。
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